和泊町議会での質問より

第5次和泊町総合振興計画について

平成22年3月 和泊町定例議会 一般質問

(1)平成22年度当初予算について。

(ア)実施計画実現に向けての財政措置はどうなっているか。

答弁:和泊町総務課

 平成22年度当初予算案では,懸案事項でありました,防災行政無線の更新に伴う予算を計上したところであります。総事業費は約4億7,800万円を見込んでおり,主な財源につきましては,地方債により対応したいと考えております。

 また,公営住宅の整備につきましては,国庫補助金及び公営住宅建設事案債を財源として,老朽化が顕著な喜美留住宅の建て替えを計画しており,今後,計画的に建て替えを進めてまいります。

 その他,地域活力基盤剖連交付金事業費,狭あい道路整備等促進事業費,過疎道路整備事業費及び辺地道路整備事業費等の交通基盤の整備に必要な予算として2億5,780万円を予算措置したところであります。

 第5次総合振興計画においては,生涯学習関連施設及び社会体育関連施設をけじめ庁舎建設の推進等の大型施設の整備検討が盛り込まれておりますが,これらの大型事業を含め各種振興策の着実な進展を図るためには,財政計画との均衡を図りながら,自主財源の積極的な確保と計画的な地方債管理など,持続可能な財政運営に努めてまいります。

(2)子育て支援策について

(ア)島外出産に対しての助成制度を早急に確立すべきではないか。

答弁:和泊町保健福祉課

 島外出産に対しての助成制度については,妊婦の皆さんが安心して島内の産婦人科で出産できるよう,そのための医師確保の支援事業を創設しようと考えているところで,現在のところ,いわゆる里がえり出産等の島外出産に対しての助成制度は考えておりません。

 県は離島地域出産支援事業を設け,島外出産に対して助成しておりますが,対象者は常駐の産科医等がいない離島地域の妊婦が島外の産科医療機関を利用せざるを得ない場合に,通院や現地滞在等に要する経費の一部を助成するものです。奄美群島の中では,喜界島,与論島,加計路摩島,請島,与路島の住民が対象となっています。

 常駐の産科医療機関のない島における安全な出産環境を図る上で必要な対策と考えますが,安全な出産に臨むためには14回の定期的な妊婦健節等,常時受診できる産科医療機関がない住民にとっては妊婦の経済的・精神的負担に止まらず,家族の精神的負担,経済的負担も大きいものがあると推察できます。

 そういう意味からも,まず島内で安心して出産ができるようその環境整備を推進してまいりたいと考えております。

 ただ,ハイリスク妊婦の分娩など,高度の医療を必要とする妊婦の島外出産の助成制度については,研究しているところであります。

 また,誰でもが希望に応じて不妊治療を受けられる社会環境整備が望まれております。不妊治療を島外で行なう方々は,離島ということで,医療費以外にも交通費などの経済的負担が加算されますので,新たに旅費助成事業を創設し,子どもを産み育たい方々の支援を行ないたいと考えております。

(イ)沖永良部高校内に大島養護学校の訪問教室を設置すべきだと思うがどうか。

 盛議員のご質問にお答えします。

 現在,本町の特別支援学級の児童生徒の実態からご説明しますと,和泊小学校に設置されている知的障害学級に3年生が1名,5年生が1名の計2名,情緒障害学級に1年生が1名,合わせて計3名の子どもが在籍しています。また,和泊中学校に設置されている知的障害学級には,1年生から3年生までそれぞれ1名ずつ計3名,情緒障害学級に1年生が2名,合わせると計5名の生徒が在籍しています。

 これまで・中学校の特別支援学級に在籍している子どもにおいては,島内の高校に特別支援学級等が設置されていないことから,島外の養護学校へ進学しなければならない現状がありました。障害のある生徒やその子どもを育てる保護者を支える観点からも,盛議員ご指摘の通り,沖水良部高校において大島養護学校の訪問教室の設置は必要であると考えます。「離島の高校に特別支援学校高等部の分教室を設置してほしい」という声が高まり,来年度から,与論高校の施設を利用した大島養護学校の訪問教育が実現しようとしています。このことは,中高一貫教育の中で,与論町の全面的な協力を得られたこと,与論高校においても施設の提供が可能であったことなどを総合的に勘案し,実施が可能となったようです。また,徳之島においても「障害児親の会」が中心となり,県に対して養護学校分教室設置の嘆願や署名活動を行っています。保護者の立場に立ったとき,島外で学ぶ子どもの将来を考えることは大きな悩みでもあります。障害のある児童生徒も可能な限り,この沖水良部で育てていく「共生社会」の実現を目指していく必要があります。今後,設置に向けての取組については,町教委だけでなく,議会やその他の関係機関も含め,知名町との連携を図ったり,保護者との情報交換を行ったりしながら,検討を進めて参りたいと思います。あわせて,地域住民の設営に向けての運動の盛り上がりも期待したいところです。

(3)移住・交流の促進について

住宅政策を協力に推進すべきだと思うがどうか。

答弁:和泊町土木課

 「移住・交流者」用の住宅につきましては、公営住宅を活用することについては、「公営住宅法」の入居基準による制限があることから、入居対象者が限定されることがあります。

 従って、こうした法律等に規制されず、町の裁量で任意に入居できる住宅の整備も必要ではないかと考えられます。

 町では測候所の空き家(8戸)購入の交渉をしており、これを「空き家住宅再生等推進事業」を導入して改修する計画ですが、これを町営住宅として利用するとともに、「移住交流推進協議会」と連携を図り、その一部を「移住・交流者」用の住宅として活用できるものと考えております。

 なお、住宅を「移住・交流者」用の住宅として使用することについては、随時入居が可能なように、常時、空き住宅を確保しておく必要も考えられますので、その運用については、今後の状況により検討していきたいと考えております。

(4)芸術・文化の振興について

文化ホールの建設計画はどうなっているか。

答弁:和泊町教育委員会事務局

 現在文化活動は町民体育館で行われており,体育活動と日程調整をしながら、町民に広く利用されています。昭和52年に建設された町民体育館は、建設当時は体育行事・文化行事両方利用できる機能を備えた県内でも優秀な施設でした。しかし、建設後33年の歳月がたち、老朽化が目立ち、建物補修や音響機器等についても補修しながら利用している現状です。今年度第5次振興計画が策定されますのでその中にも掲載してあります。

(5)地元企業の育成について

(ア)公共工事の中聞前払い制度の導入をすべきだと思うがどうか。

答弁:和泊町長

 公共工事の支払いは会計規則第42条2項の規定により,請負額300万以上の契約で,保証事業会社で保証されたもの,財政経理上支障が無く適当と認めたものに限り前金払いをし,残金は完成検査後に支払っております。

 ご質問の中間前払金制度は,地方自治法施行令等の一部改正により,建設業者の資金対策として導入されており,中間前金払の要件として

  •  @工期の2分の1を経過していること
  •  A工程表により工期の2分の1を経過するまでに実施する工事が行われていること
  •  B工事の進捗が請負金額の2分の1以上の額になったとき

 以上の要件の全てを満たす場合に適用されています。

 施行業者からしますと,長い工期多額の請負額等で,質金繰りの面から導入が望まれます。町も地元企業の育成のために実施を検討したいと考えます。

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