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血液型

血液型とは、血液内にある血球の持つ抗原の違いをもとに決めた血液の分類のことをいいます。
抗原は、赤血球・血小板・白血球・血漿などに存在し数百種類が知られており、その組み合せによって決まる血液型はすごい数になります。
世界を捜しても、一卵性双生児でもない限り自分と完全に同じ血液型をしている人はいないとすら言われています。
輸血をする場合は、ABO式など一部の分類は自然抗体が形成され、型違いの血液を混ぜると凝集や溶血が起きるため、型を合わせる必要があります。
また、血液型によって、凝集や溶血反応はそれぞれです。

主な分類方法

ABO式血液型

赤血球による血液型の分類法の一種です。
1900年から1910年ごろにかけて発見された分類法で、最初の血液型分類です。
A型はA抗原を発現する遺伝子を持っていて、B抗原に対する抗体が形成されます。
B型はB抗原を発現する遺伝子を持っていて、A抗原に対する抗体が形成されます。
O型はどちらの遺伝子も持っていません。A抗原、B抗原それぞれに対する抗体が形成されます。
AB型は両方の抗原を発現する遺伝子を持っておいて、抗体形成はありません。

Rh式血液型

赤血球膜の抗原による分類法です。
1940年ごろから明らかにされ、現在は40種以上の抗原が発見されています。
その中でもD抗原の有無についての情報を陽性 Rh+(D抗原陽性)・陰性 Rh−(D抗原陰性)として表示することが最も多いです。
Rh−型の人にRh+型の血液を輸血すると、血液の凝集、溶血等のショックを起こす可能性があります。
日本人の99.5%はRh+です。

HLA型

白血球の抗原の分類によるものです。
現在では血液に限らず、組織の適合性に関わる情報として用いられるようになっているものです。
ヒトの遺伝子上で白血球の抗原に関わる部位は、主要なものだけでもA,B,C,DP,DQ,DRの6箇所があり、それらの部位のタイプの組み合わせは数万通り以上あると言われており、結果として、特に血縁関係でもない限り人間同士でHLA型が完全に一致することは極めて稀です。

ダフィー(Duffy)式血液型

赤血球表面の抗原(糖鎖)の多様性による分類法です。
Fy(a)とFy(b)の2つの抗原の有無によって、Fy(a+b+), Fy(a+b-), Fy(a-b+), Fy(a-b-)の4つの血液型に分けられます。
三日熱マラリア原虫はヒトの体内で赤血球表面にあるFy(a)とFy(b)の2つの抗原に結合して赤血球に侵入、増殖する。
Fy(a)とFy(b)のどちらの抗原も持たないFy(a-b-)型は三日熱マラリアに抵抗性を示します。
Fy(a-b-)型はアフリカのサブサハラの三日熱マラリア流行地に遺伝的起源を持つ人に非常に多いのに対して、それ以外の地域に起源を持つ人にはほとんど存在しません。
なお、熱帯熱マラリア原虫は三日熱マラリア原虫とは赤血球への侵入様式が異なるためダフィー式血液型は熱帯熱マラリア抵抗性とは関係がありません。

その他の分類方法

その他MN式、P式など約300種類の分類方法が発見されていますが、分類法としてはそれほど一般的ではありません。
遺伝関係の確認や警察の鑑識においてなど、可能な限り詳細な情報が必要な時などに用いられます。

人口に対する割合が約1%以下の型で、輸血をする場合危機が生じる可能性が極めて高いまれな血液型があります。
一人の人間が複数の血液型を持っている場合は、「血液型キメラ」と呼ばれます(例:A型99% AB型0.1%等)。
この血液型は70万人に1人程度といわれています。