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ABO式血液型

ABO式血液型とは、血液型の分類法の一種でA、B、O、ABの4型に分類します。
最も初期に発見された血液型分類で、1900年にオーストリアの医学者カール・ラントシュタイナーにより発見され、翌年の1901年に論文発表されました。
ラントシュタイナーがはじめにA、B、C型の3つの血液型を発見し、1902年にアルフレッド・フォン・デカステロとアドリアノ・シュテュルリによって第4の型が追加発表されました。
さらに、1910年にエミール・フライヘル・フォン・デュンゲルンとルードビッヒ・ヒルシュフェルドにより、第4の型にはAB型という名称が与えられ、C型の名称はO型に変更されました。
なお、C型をO型に変更した理由は、数字の「0」ではなく、ドイツ語の「ohne」の頭文字である可能性が指摘されています。

A型はA抗原を発現する遺伝子(A型転移酵素をコードする遺伝子)を持っており、B型はB抗原を発現する遺伝子(B型転移酵素をコードする遺伝子)を、AB型は両方の抗原を発現する遺伝子を持っています。 A抗原、B抗原はH抗原からそれぞれA型転移酵素、B型転移酵素によって化学的に変換されます。
3種の遺伝子の組み合わせによる表現形、ABO式血液型を決定する遺伝子は第9染色体に存在します。 H物質発現をコードする遺伝子は第19染色体に位置し、H前駆物質をH物質へ変換させます。 この遺伝子が発現しない場合はボンベイ型となります。
・A型 - A遺伝子をすくなくとも一つ持ち、B遺伝子は持たない(AA型、AO型)→A抗原を持つ。B抗原に対する抗体が形成
・B型 - B遺伝子をすくなくとも一つ持ち、A遺伝子は持たない(BB型、BO型)→B抗原を持つ。A抗原に対する抗体が形成
・O型 - A遺伝子・B遺伝子ともに無い(OO型)→H抗原のみ持つ。A,B抗原それぞれに対する抗体が形成
・AB型 - A遺伝子・B遺伝子を一つずつ持つ(AB型)→A抗原、B抗原両方を持つ。抗体形成なし
A抗原とB抗原は、持っていないとそれに対する自然抗体が形成されます。 そのため、基本的には型違い輸血は行われないが、O型からA,B,AB型、A,B型からAB型への輸血では凝集せずに輸血できる場合があります。 これは、抗A抗体と抗B抗体はIgMであり、血球に対して抗原抗体反応が起こるには複数の抗体が抗原と結合しなくてはならないからです。 輸血される血液は受血者の血液より少量のため、血漿によって希釈されて抗原抗体反応が起こらなくなります。
そのため、かつてはO型は全能供血者、 AB型は全能受血者と呼ばれていましたが、ABO以外の型物質(Rh因子やMN式血液型など)が存在することもあり現在では緊急時を除いては通常行われません。

日本国民のABO式血液型の分布は大まかに、A型が約40%、O型が約30%、B型が約20%、AB型が約10%となっています。
ただし、ABO式血液型の割合は母集団(地域や民族など)によって差が大きく、たとえば南アメリカに住むインディオの場合は90%以上がO型で、地域によっては99%を超えるところもある。
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