地質時代

ここでは,地質時代についての簡単な知識を紹介します。

時代の区分

世界史の時代を表すのに「中世」とか「近代」とか,「西暦」とかいろいろな時代を表す指標があるのはご存じのとおりです。日本の時代を表すのには「年号(昭和・平成など)」という呼称が使われています。

地球ができてからおよそ46億年程度が過ぎていると考えられています。当然,この地球も様々な時代を経て今日があるわけですので,地球の時代を表す指標があったほうが分かりやすくなります。それが「地質時代」と呼ばれる地球の時代の指標になります。

地質時代の主な区分の指標は「生物(化石)」によって決められています。「生物」によって時代が位置づけられるということは,その時代の最後には何らかの「生物の絶滅事件」が発生していることを意味します(巨大火山噴火,隕石衝突,急激な気候変動などの急激な環境変化が原因として考えられている)。

地質時代の3段階区分

地質時代は大きく3つの段階に区分されています。一番大きい区分が「代」(例:古生代・中生代)。二番目が「紀」(例:ジュラ紀・第四紀)。三番目が「世」(例:暁新世・始新世・更新世)。

たとえば「今」はどう呼ばれるかというと,「新生代,第四紀,完新世」と呼ばれる時代になります。(※第四紀の定義付けのみ他の地質時代と異なり「人類の時代(=ヒト属の出現)」というのが第四紀の定義になっている)

地質時代の決定は残されている地質記録(化石)の質と量に左右されることになるため,現代に近いほど地質時代は細分することが可能になるが,古い時代ほど分解能の問題が生じる。

また,「代」の境界では大規模な絶滅イベントが発生していることが知られている。(例:中生代→新生代(メキシコ,ユカタン半島への隕石落下を主とする絶滅イベント))

地質時代区分表

地質時代区分表(代〜紀まで,地質年代は議論が継続中のものもあるため,今後変わることもある)
年代と主なイベント
先カンブリア時代 近年,大きく研究が進んでいる時代,かなり初期の段階に生命が誕生し,光合成を開始し,真核生物が登場し多細胞生物が登場するという大まかな流れになっている。【46億年前〜5億7千万年前】
古生代 カンブリア紀 爆発的に多くの生物が地球規模で出現した時代。現在の生物の直接の祖先がほぼ出そろう時代。あまりにも爆発的な生物出現が起きているため「カンブリア爆発」と呼ばれる(生物分類で言うところの「門」レベルの急激な多様化)。【5億7千万年前〜】
オルドビス紀 三葉虫に代表される無脊椎動物が優勢,魚類の登場。【5億1千万年前〜】
シルル紀 陸上植物の最古の化石。【4億5千万年前〜】
デボン紀 両生類の出現,シダ植物の出現,種子植物の出現。【4億1千万年前〜】
石炭紀 大規模なシダ植物主体の森林の発達,昆虫の繁栄,爬虫類の出現。【3億6千万年前〜】
ペルム紀 大陸の集合の完了→パンゲア大陸の形成。ペルム紀の末に地球上の95%以上の生物種が絶滅して「古生代」が終わる(地球史上最大の絶滅イベント)。【2億9千万年前〜】
中生代 三畳紀 大型は虫類である,恐竜の出現。【2億4千5百万年前〜】
ジュラ紀 有袋類の出現,始祖鳥(鳥類)の出現,被子植物の出現。【2億8百万年前〜】
白亜紀 恐竜の繁栄と絶滅,有胎盤類の出現。【1億4千5百万年前〜】
新生代 古第三紀 被子植物や鳥・哺乳類が多様化した。【6千5百万年前〜】
新第三紀 寒冷化の進行に伴う「草原環境」の発達。牛や馬の発達,海洋哺乳類の多様化。【2千3百万年前〜】
第四紀 「ヒト属」の出現。氷期と間氷期を繰り返す時代。【180万年前〜】(※近年この年代【第四紀はいつ始まるのか?】に関して議論されることが多い