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フィナステリド錠(プロペシア錠)
プロペシア錠

フィナステリドは抗アンドロゲン薬の1つであり、テストステロンをジヒドロテストステロンへ変換する酵素である5-アルファ還元酵素を阻害することによって作用します。
前立腺肥大症に対して低用量で、前立腺癌に対しては高用量で使用されます。
ドキサゾシンと組み合わせて用いることにより、前立腺肥大症の病状が進行する危険性を低減することが示されています。
また、男性型脱毛症の治療薬として多くの国で登録されており、日本ではプロペシアが発売されています。

脱  毛  症

プロペシアは「飲む発毛剤」です。
日本では2005年12月に万有製薬から発売され、海外では既に60か国以上で承認されています。
DHT(ジヒドロテストステロン)という髪の成長を妨げる原因物質を抑えることで効果を発揮します。
アメリカ食品医薬品局 (FDA) が認めた男性型脱毛症(いわゆる、若ハゲ)に有効な薬は、このプロペシアとミノキシジル(商品名リアップなど)のみである。
なお、男性型脱毛症以外の脱毛症(円形脱毛症など)には効果はありません。

<作 用 機 序>

男性型脱毛症の原因は遺伝の他に DHT といった物質があります。
この物質は思春期以降に男性型脱毛症、前立腺肥大症、ニキビなど好ましくない症状を引き起こすことがあり、フィナステリドは 5α-還元酵素を阻害し、男性型脱毛症の原因物質である DHT の産生を抑えることで効果を発揮します。

男性型脱毛症は、時間と共に進行していくものであり、髪が薄くなっていくことを抑える事がまず大切です。
少なくとも進行をくい止められたという意味では、フィナステリドは、98% の人に3年間効果がありました。
髪が増えてくる人も多く、国内の臨床試験では半年で 48%、1年で 58%、2年では 68%、3年で 78% と髪が増える人が経時的に増えていきました。また髪が増えるだけでなく、髪の質(長さ、太さ)なども改善することも分かっています。
頭頂部(頭のてっぺん)だけでなく、髪の毛の生え際などの前髪にも効果がある点も、従来の育毛剤とは異なります。
リアップ(ミノキシジル)と一緒に使うと、さらに効果が良くなることが、海外の試験では証明されています。

<副 作 用>

副作用は少ないようです。
国内臨床試験時では、1 mg のプロペシアで胃部不快感、性欲減退など 5% 程度の副作用が認められました。
この副作用の発現頻度は、プラセボという有効成分の入っていない錠剤で起こった副作用の頻度と同程度です。
特に重篤な副作用は報告されていないです。
性欲減退の副作用を気にする人がいますが、性欲を司るテストステロンを減少させる薬ではないので、理論上この副作用は起こりえないです。
実際、この副作用の発現頻度もプラセボと変わりません。

<AGAチェック>

AGAチェックは血液や毛髪のDNA配列を解析することによってAGA(男性型脱毛症)のリスクとフィナステリドの効果を判定する検査で、専門の医療機関で受けることができます。
AGAの主な原因とされているDHTは毛乳頭細胞のX染色体上にあるレセプター(男性ホルモン受容体)に作用して症状を発現させますが、X染色体にはこのレセプターを覆い隠すような三次元構造を持つ特殊なDNA配列が存在します。
「c,a,g」という三つの塩基が繰り返すことから「cagリピート」と呼ばれるこの構造は長さ(繰り返し回数)に個人差があり、生まれつきcagリピートの長さが異なります。
cagリピートが長ければDHTが作用しにくくなるためAGAのリスクは低く、短ければリスクが高くなります。
また、cagリピートの長さはフィナステリドの効果にも影響します。
cagリピートが短ければDHTの作用を強く受けるため、DHTの生成を抑える薬剤であるフィナステリドの効果は高くなります。
AGAチェックはこのcagリピートを測定するものであり、血液を採取するか、後頭部の毛髪を10本程度採取して検査します。
cagリピートは年齢によって変化することがないため、この検査は1回だけ受ければいいです。
AGAチェックは女性が受けることもできますが、女性に対するフィナステリドの使用には制限が多いです。

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