高隈山の地学情報【編集途中】
ここでは,大隅半島地域にある高隈山について紹介します。
Fig.1 大隅半島の全体と高隈山の範囲
図中の等高線は200m間隔。大隅半島は桜島東部の姶良カルデラ壁(カルデラの外輪山)と,桜島の南東方向にある高隈山地と,半島南部の肝属山地とその間を埋める笠野原台地を主とするシラス台地で主に構成されている。
地形概要
高隈山は,大隅半島最高峰の「大箆柄岳(1236.4m)」(おおのがらだけ)を擁する標高1,000m代の山々が連なっています(御岳・平岳・横岳・妻岳など)。
高隈山は全体的に東側が急斜面になっており、西側には「高峠高原」などの高度の高い平坦面がみられ、尾根は西側に広がる「馬蹄形」状に分布している。
高隈山の南部、御岳・横岳の南斜面には中腹になだらかな面が見られ,鳴之尾(めいのお)牧場(鹿屋市)として活用されている。
高隈山を流れる河川は一般に下方浸食が強く、「V字谷」が見られる。
地質概要
基盤
高隅山の地質の基盤になっているのは、西日本太平洋側の基盤である「四万十累層群」である。
四万十累層群は、主に砂や泥を主体とする堆積層からなっている。
現在で言うところの日向灘沖の南海トラフに堆積した堆積物が、西日本に沈み込んでくる「フィリピン海プレート」の働きによって、堆積物が陸側に「付加」されることを繰り返してできたものと考えられている。