肝属平野の地学情報
ここでは,大隅半島中央部に位置する肝属平野について紹介します。
地形概要
肝属平野は,鹿屋市から肝属郡肝付町までの大きな平野です。主に北部は厚い入戸火砕流堆積物による火砕流台地で,「笠野原台地」と呼ばれています。南部は阿多火砕流堆積物が露出しているところもあります。
笠野原台地
平坦な面を広く残しています。代表的な「シラス台地」のひとつです。このような広い平野となったのは,入戸火砕流の下にある阿多火砕流による溶結凝灰岩の地形によるものが大きいといわれています。
笠野原台地を取り巻くように,西に肝属川,東に串良川が流れています。
Fig.1 高隈山より南東側に広がる笠野原台地を望む。おおよそ写真左側が北東,右側が南東になる。
Fig.2 肝属平野の端,鹿屋市古江付近のシラス崖の様子。
錦江湾側の笠野原台地の端は,シラス(入戸・妻屋火砕流の堆積物)の崖となっています。鹿屋市古江〜花岡〜高須,垂水市全域の錦江湾側に発達しています。国道220号線を走行すれば見ることができます。
Fig.3 肝属平野の端,鹿屋市高須付近の海岸の様子
Fig.2にある場所から県道68号線を南下すると,やがて海岸に黒っぽい岩石が見えてきます。これはシラス(入戸・妻屋火砕流の堆積物)の下位にある阿多火砕流の溶結凝灰岩です。さらに南下して,国道269号線沿いの南大隅町の肝属山地の付近では,阿多火砕流の溶結凝灰岩の崖になります。
肝属平野南部(肝属郡肝付町/旧高山町側)
肝属平野南部は,肝属川による沖積平野が中心となります。肝属山地との境界付近である,肝付町国見〜川上,鹿屋市吾平では肝属川の支流で下位層の阿多火砕流の溶結凝灰岩が見られる地域があります。