2012年度(平成24年度)活動記録
ここでは,2012年度(平成24年度)に行われた県地学会の活動報告を行います。
県地学会の講演会および総会
5月の講演会および総会
今年度も鹿児島大学にて,平成24年度の講演会および総会が開かれました。
- 予定日時:2012年05月26日(土)
- 場 所:鹿児島大学教育学部理系研究棟401号教室
- 総 会:総会にて,H23年度の活動報告及び平成24年度の活動予定および活動費の決算と予算が提案され,承認されました。
- 講演会 :岩松暉 氏【鹿児島大学名誉教授】・神信裕 氏【元鹿児島工業高校教諭】
- 講演1「津波被災地を歴訪して」 (岩松暉 氏:鹿児島大学名誉教授)
- 近年様々に注目される津波。その津波災害の被災地を歴訪したことからわかることについての講演内容でした。
- 講演2「「後期更新世」における出水平野の地形発達史」 (神信裕 氏:元鹿児島工業高校教諭)
- 北薩地域には北部九州から南部九州にかけてみられる大きな地質構造の変化がみられる地域で,どのような地殻の動きがこのような構造を作り上げてきたのかその解明が待たれています。出水平野に残される地形発達史を通して北薩地域がどのような大地の変化を遂げてきたのかを知ることで,より大きな問題の理解へとつながることが期待されています。
12月の例会(講演会)
今年度も例会が鹿児島大学にて行われました。
- 実施日 :2012年12月01日(土)
- 場 所:鹿児島大学教育学部理系研究棟401号教室
- 講演会 :岩船昌起 氏【志學館大学人間関係学部准教授】・上田脩郎 氏【鹿児島大学大学院理工学研究科・院生】
- 講演1「堤防を越えた津波の動態と人びとの避難行動‐『津波映像』の解析から鹿児島を考察する」 (岩船昌起 氏:志學館大学人間関係学部准教授)
- 近年様々に注目される津波災害,東日本大震災で記録された膨大な映像資料を基に,わかることを基に鹿児島について考察された内容についての発表でした。
- 講演2「徳之島西部秋利神地域の泥質・砂質変成岩中のシュードタキライト様貫入岩」 (上田脩郎 氏:鹿児島大学大学院理工学研究科・院生)
- 「シュード(pseudo-)」という言葉には,“偽りの,にせの,まがいの”という意味があります。タキライトというのは「塩基性の火成岩」の一種の名称です。「塩基性の火成岩」の代表格は「玄武岩」です。「玄武岩質のマグマ」の冷却速度の違いによって「玄武岩」や「斑レイ岩」や「タキライト」などになります。通常岩石の密度の関係から大陸性の地殻の下部か,海洋性の地殻を構成する岩石として地球上に分布しています。「シュードタキライト様貫入岩」というのは,マグマが貫入してできたタキライトっぽい貫入岩ということです。ちなみに,「シュードタキライト」はよく「地震の化石(地震断層面)」(断層面に活動時に生じる強烈な摩擦熱で断層面が融解してできる)として出てくることが知られています。
県地学会の地質見学会
5月の地質見学会
成尾英仁さんの案内で,指宿市周辺の火山地形や噴出物の観察を行いました。
- 日 時:2012年5月27日(日)
- 案内場所:指宿市周辺
- 案内者 :成尾英仁 氏
今回は,指宿ジオパーク研究会の会員4人も現地で合流して見学会に参加し,県地学会員と共に指宿地区の貴重な火山の作った露頭や地形への理解を深めました。身近な風景の中にいまだ人類が経験したことのないような壮大な自然現象の記録が残されていることに驚きの連続でした。
12月の地質見学会
神 信裕さん(出水市在住会員)の案内で出水市および阿久根市の北薩地区の地形や地質を見学しました。参加者は熱心に説明を聞きながら観察を行い,貴重な地形や露頭の観察を行いました。
- 日 時:2012年12月2(日)
- 案内場所:北薩地区(出水市,阿久根市)
- 案内者 :神 信裕 氏