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 美術館について

◇ 福祉のエリアにある 美術館の由来 ◇

  昭和63年「福祉を拓き文化を創る」、通称「福祉に文化を」を理念として「絵と彫刻のある憩いの園」加世田アルテンハイムを創設。 当初から建物も一つの作品として地域に存在し、お年寄りの生活や生命を具象し、さらにインスパイアするものでありたいという願いがこめられています。
  理事長が洋画家のため、まず身近なところから自分達ができることとして、美術(絵や彫刻)を通してのやすらぎが得られるような環境作りに励みました。 ホーム内にも芸術文化と生活文化をとりいれ、お年寄りの生活のすべてを文化ととらえ、生活空間を構築しました。
  同一敷地内に美術館(当時はギャラリー、現在は吉井淳二美術館)もアルテンハイムとほぼ同時期に開設しました。 この一帯を「福祉と文化と平和のあるエリア」とし、美術館もそれにふさわしく年数回行う企画展のうち、1回は福祉に関わりのあるものとし、お年寄りにふさわしい企画なども行っています。

例えば、  ・ 福祉の原点 マザーテレサ写真展
 ・ 家族の絆を考える 渡辺うめ(90歳)人形展
 ・ 子供の絵に学ぶ 児童養護施設「あすなろ学園」小さな天使たち展
 ・ 色紙展 吉井淳二97歳97枚の色紙展
等を企画し、ホームのお年寄りをはじめ地域の方々にも理解を深めていただきました。 マザーテレサ展には看護・介護をを志す学生も訪れ、また人形展では昔の生活風景に思い出を語り、多くの心温まるメッセージが寄せられました。

子供の絵に学ぶ
子供の絵に学ぶ
児童養護施設「あすなろ学園」
小さな天使たち展
マザー・テレサ写真展
福祉の原点
マザーテレサ写真展

美術館によせて
  美術評論家 鈴木進

このたび、吉井さんが鹿児島に美術館をつくられるそうでお慶びもうしあげます。
ここのところ美術館のあり方をもう一度考え直そうということが、クローズアップされてきたのはおもしろい現象だと思っています。美術館の様式というのは本来はサロンの形で、つまり生活空間の中に鑑賞空間を作っていくものです。
ところが日本では明治以降、、大きな壁面の中にたくさんの作品を並べる形式の美術館が普及してしまったわけです。そうすると、生活空間の中にあるはずの美術が美術館の中にある美術になってしまい、ガラスに遮られ、さらに遠まきに見なくてはならず、直接絵と対話することもないまま私達もいつの間にかそういう展覧会様式で膨大な美術館の壁に掛けられている絵画を観ることが鑑賞方式だという概念がうまれてしまいました。しかし、小さく限られた中で美術を鑑賞するという方法もあるということを、この美術館は物語っているのではないかと思います。


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