「いのちの授業」とは、私(種村エイ子)が、全国の小・中・高校を訪問し、ブックトークの手法を用いて死と生を伝える出前授業です。




始りは1冊の本との出合い

 その本とは、『性の授業死の授業』(教育史料出版会)。
 著者は金沢市の小学校教師金森俊朗氏。
 内容は、小学校3年の教室に出産まじかの母親を呼んで性の授業をし、もちあがりの4年生に末期がん患者を招いての授業をおこなったというもの。子どもたちが真剣に「いのち」を学んでいる姿は、感動的でした。

 当時の私は、進行性胃がんで5年生存率20%を宣告され、なんとか立ち直った体験を『知りたがりやのガン患者』(農文協)にまとめたころ。
 性の授業はともかく、死の授業なら、私にもできるのではないか、と思ったのです。
 「死」があたりまえのこととして、学校で子どもたちに語られることで、一般の社会でも「死」がオープンになるのではないか。
 ガン患者になって、もどかしく思ったことは、患者本人に自身の体におこっている本当のことが伝えられないこと。原因は、病院患者図書館の不備もあるが、「死」を語ることがタブーになっているせいもあるのではないでしょうか。
  
 かごしま文庫の会や司書養成にあたる短大の教員として、本と子どもの橋渡しに力を注いできた私がやるとしたら、ブックトークやストーリーテリング、読み聞かせなども取り入れた「授業」にしてみたいと考えたのです。 私が授業をできる時間は限られています。本に繋ぐことで、子どもたちは、疑問に思ったことを調べたいとき、深くほりさげたいとき、図書館を訪ねることができます。
 
 幸い、授業をいっしょにとりくむパートナーも次々に現れました。

1997年に授業を始めて8年、最初の授業を受けた小学生は大学生になりました。2005年3月現在、訪問した学校は札幌から与論まで195校になります。


(授業風景・・・左・東京世田谷区の小学校)   

 詳しくは、私の著書・論文を参照ください。

タイトル 出版社 備考
図書
『死を学ぶ子どもたち』
執筆協力 金森俊朗村末勇介
(教育史料出版会)
図書 『シリーズいのちの授業』全5巻
5巻目の『いのちの図書館』は、私のブックトークで、いのちの授業に活用できる60冊ほどの本を紹介しています。
(ポプラ社)
雑誌 『児童心理」2005年2月臨時増刊 子どもに「いのち」をどう教えるか (金子書房
雑誌
『学校図書館』2004年8月 特集 いのちを考える読書
(全国学校図書館協議会)
雑誌 『食農教育』2004年11月 特集 農家に学ぶ「いのちの授業」 (農文協)


いのちの授業の出前を希望されている方に、参考にしていただきたいページ

いのちの授業で使用しているブックリスト 小学校向けと中高校向けにつくりました。学校によって、テーマによっても少しづつ変更しています。学校の図書館にない場合は、近隣の学校図書館や公共図書館で借りて準備ください。図書館は読みたい本、必要な本のリクエストに応えてくれることを子どもたちに伝えたいのです。
いのちの授業でお願いしているアンケート 子どもたちの生と死に対する意識や体験を知るためにお願いしています。
いのちの授業が掲載されている学校のサイト これまで出前授業にお伺いした学校のサイトをリンクしています。


   
(紹介した本を囲んで・・・鹿児島県立徳之島高校)

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