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いむた池
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 祁答院町の県立公園いむた(藺牟田)池自然公園は、池は海抜295m、深さが約3m、周囲3.5kmのカルデラ湖で、飯盛山・愛宕山・舟見岳などの外輪山があります。 
 池から140mほどの高さにある飯盛山の頂上へは、山を周回する遊歩道があり、1450m(約2周)歩くと頂上に到達します。七つある外輪山の登山を楽しむ人も多いそうです。

春のいむた池
 池には鯉・フナ・うなぎなどの魚が住んでいます。また、湖底には泥炭といわれる植物が化石化して石炭になる過程の現象が見られるそうです。 いむた池は水深が浅いため夏場には、ボートが浮かび、湖を一周できる貸し自転車などもあり、若者や家族の行楽の場になっています。
 最初一組のつがいだった白鳥は、今では50羽近くも住みついています渡ってきた鴨もスッカリなついて     
外輪山には、ミツバつつじが自生していて5月には山中艶やかに咲きそろいます。
 いむた池は、絶滅のおそれがある『ベッコウトンボ』の生息地でもあります。国内希少野生動植物種に指定され、トンボで唯一捕獲が禁止されています。羽化直後の未成熟の個体や羽のまだら模様がベッコウの色に似ているところからこの名がついたようです。
 いむた池は2005年(平成17年)11月、ラムサール条約による湿地として保護されることになり、いむた池に生息するベッコウトンボも保護されることになりました。

 《ラムサール条約》
 ラムサール条約の正式名称は「特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関する条約」といいます。
 ラムサール条約は、地球規模で移動する渡鳥を保護するために、国家間で協力して水辺の自然「ウェットランド」を保全することを目的とした環境条約です。
 1970年イランのラムサールという町で締結されたため、ラムサール条約と呼ばれるようになりました。

 
水鳥の生息地だけでなく、現在は、広く生態系にとって重要である湿地を保全するための国際条約となっています。
 また、湿地の保全だけでなく、世界的に認知された湿地をうまく活用していこうという「賢明な利用(ワイズユース)」も提唱しています。

 世界では1500所以上が登録されていますが、国内では、1980年6月に北海道の釧路湿原が初めて登録され、これまで13か所が登録されていました。今回、20か所が追加登録されましたが、藺牟田池は、屋久島永田浜、くじゅう坊ガツル・タデ原湿原とならんで九州ではじめての登録湿地となりました。

竜石の伝説
 昔、いむた池にとても仲むつまじい男竜と女竜が住んでいたそうです。2匹はとっても幸せな日々を送っていたそうですが、ある嵐の夜、男竜は女竜をうらぎり、こっそり池を抜け出して、霧島の大浪池に移り住んでしまいました。そうとは知らぬ女竜は、いなくなった男竜の無事を祈り、かげ膳をつづけ、そのかげ膳の飯を来る日も来る日も捨ててできたのが飯盛山だそうです。

 男竜恋しさに天にのぼろうとすべって山の斜面をくずしてできたのが愛宕山だそうです。百年、千年待っても男竜は帰ってこないので、女竜は年老いてしまい、こんな姿を里人に見られたら恥ずかしいと、霧の深い夜、再び天をめざしたのですが、急に霧が晴れ里人にみつかってしまい、女竜は、無念の恨みを残し岩に身を変えてしまいました。池の側から山を駆け上り天に登ろうとす る竜の姿が見られます。