南の絵本
いそがなくたっていいんだよ
オリイブ畑の一ぽん一ぽんの
オリイブの木がそう云っている
汽車に乗りおくれたら
ジプシイの横穴に眠ってもいい
兎にも馬にもなれなかったので
ろばは村に残って荷物をはこんでいる
ゆっくり歩いて行けば
明日には間に合わなくても
来世の村に辿りつくだろう
葉書を出し忘れたら歩いて届けてもいい
走っても走ってもオリイブ畑は
つきないのだから
いそがなくってもいいんだよ
種をまく人のあるく速度で
あるいてゆけばいい
詩集『だれもいそがない村』より
平成11年2月6日
平成11年2月16日
平成11年3月6日
平成11年4月26日
オオルリシジミ
平成11年5月7日
朝一番に咲く露草と夜にしか光らない蛍
ありえないのだけれど
平成11年9月29日
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