新連載 「死」を学ぶ子どもたちーPARTU 第1回
                    

 連載にあたって

 昨年12月『「死」を学ぶ子どもたち』を出版しました。その後の授業で出会ったこと、考えたこと、新たに紹介したい本などをこのMMで、PARTUとして発信していきます。
 初めに、夏休みにたったの1週間ですが、ツァーで行った中国への旅のことを報告したいと思います。
 4年前の夏、がん手術から1年と少ししか経っていませんでしたが、5年有効のパスポートを取得しました。1回きりの使用で終わりと覚悟していたのに、今回で3回も使いました。私にとって、旅ができるのも「生きている」証です。

 中国への旅@― なぜ中国か

 青春時代にパールバックやスメドレーに出合い、長い間あこがれていたこともあります。そういう意味では、大満足。飛行機やバスの窓から、ず〜と続く緑の大地に接して、言葉をなくしてしまうほど(単に語彙が貧しいだけという見方もありますが)感激しました。
 今回の旅を思いったのは、やはり「いのちの授業」に関係があります。
 NHKの放送(ボランティアまっぷ)のあと、手紙をくださった方があります。神奈川県在住の年配の画家で、学徒動員された世代のお一人です。数回の手紙のやりとりで、特攻機の整備を担当したり、シベリアに抑留されたりした悲惨な体験の持ち主だと分かりました。
 その方から、いまのような時代だからこそ「日本の加害の歴史=負の歴史」を子どもたちに伝えることを続けてほしいと託されてしまいました。
 いちおう「戦後(1946年)生まれ」の私の手に負えるかどうか分からないけれど、加害の歴史をちょっとでも追体験できる場所に身をおきたいと、とりあえず中国へとなったのです。


トップ アイコン