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小学校教師用ニュースマガジン 01   8月20日金曜日発行
 編集・発行 蔵満逸司 wahaha@po.synapse.ne.jp 【806】
 
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 小学校23校の教壇に立って
  

                   
 2年前のこと、地元紙に「いのちの語り部」なる記事が出た。私の初めての「いのちの授業(死の学習)」を報じたものだった。通りすがりに、短大の同僚に声をかけられた。
「種村先生、小学校で授業したんですって。無免許でしょう?」
 そうなのだ。私は小学校の教員免許をもってない。ひところなら、そういう人間を教壇に迎えるのはたいへんなことだった。しかも「いのちの授業」というオブラートに包まれてはいるが、長い間学校教育でタブーになっていた「死」について語ろうという授業である。
 
 初めての「授業」を受け入れてくださったのは、私の本『「死」を学ぶ子どもたち』の共著者でもある村末先生。全校11名の小規模校であった。それまでの長い間、多くの子どもたちにおはなしを語り、読み聞かせをしてきた。場数を踏んでいたはずの私も、このときばかりは異様に胸が高鳴っていた。不安だった。「死から遠い場所にいる子どもたちに話が通じるのだろうか?」きっと、迎える側も同じ思いであっただろう。でも幸いなことにこれは杞憂に終わった。着実に積み重ねられた「生と性の教育」で心と体を耕されていた子どもたちは「ゴールがあるから一生懸命走れる、いのちも同じ」という話をしっかり受けとめてくれた。(詳細は村末教諭の執筆部分を読んでほしい)
 
 新聞記事を目にとめた親や教師たちのおかげで、私の授業は鹿児島県内に広がっていった。本の出版、テレビ放映のあとは、回数も急速に増えたし、移動の半径も九州から本州へ伸びていった。中・高校生対象も多くなった。
 
 担当の教師や親とはなんらかの打ち合わせをしてはいるが、私にとっては、どの学校の子どもたちとも1回きりの出会いである。
「どんな子どもたちかな?」常に不安と期待が交錯する。だが私が訪れた23校の小学校の子どもたちは、長時間の授業にすばらしい反応を示してくれた。(まだの方は、是非蔵満学級のHPでも確認してほしい)無免許の私が、大人数を対象に、大学の講義風の一方通行的な「授業」をやっているケースが多いにもかかわらずである。
「学校崩壊なんてどこの話なの?」って思う。
 
 いちどある小学校の教師から「もっと児童の活動を取り入れた授業だと期待していたのに」と言われた。村末先生からは「種村先生の姿と紹介された本が子どもの心に刻まれれば十分、あとは担任の仕事」とアドバイスをもらった。
 
 しかし、そろそろ「授業」にひと工夫必要だ。蔵満先生と行ったメールを使った子どもたちとの事前の交流、当日のTTはひとつの可能性を示してもらった。HPでの発信も、これから授業を行う学校の教師や子どもたちにとって「情報の共有」ができる。HPを見た子どもが、自分と同じ感想や疑問をもつ人が遠く離れた学校にもいることを確認できる。なんだかワクワクする。長年「本との出合いは人との出会い」を実感してきた私。それはいまでも変わらないが「パソコンとの出合いも人との出会い」を確信しつつ、きょうも愛用のノートパソコンに向かっている。

○関連ホームページ○

寿北小6年4組ホームページ 授業の感想他
http://www.d2.dion.ne.jp/~merody/index.htm
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メッセージ01 創刊号です

○創刊号・・・いい響きです。
 メールマガジンならではの新鮮さを大切にしながら、小学校教師
にとって価値のある情報をお届けします。
 806名の読者の皆さんと共にスタートできることを嬉しく思い
ます。よろしくお願いします。
○種村さんの授業のようすは、今年5月13日NHKのボランティ
アまっぷで全国に放送されました。御覧になられた方もあるかと思
います。  
 http://www.nhk.or.jp/nhkvnet/vmap/0513/
 子どもたちがしっかりと種村さんのメッセージを受けとめた授業
で感銘を受けました。教師はもっと自分を語るべきなのではないか
という思いも持ちました。
 種村さんには、さまざまな観点から教育についてのメッセージを
いただいてこのメールマガジンでも紹介して行く予定です。よろし
くお願いします。
○予告 次回は、文部省の寺脇研氏と朝日新聞社『論座』最新号で
対談をされた、月刊『授業づくりネットワーク』の編集長上條晴夫
氏の対談裏話、第3号は大久保光雄氏の連載『HTML入門』第1
回を予定しています。
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