死を学ぶ子どもたち PART2 

NHKスペシャル「子ども・いのちの輝き」(2003年5月11日放送)を見て

私が死を語る「いのちの授業」を始めたのは、進行性胃がんの手術を受け、生きるための情報を必死で探していたころ、金沢市の金森俊朗先生の著書『性の授業 死の授業』(教育史料出版会)に偶然であったのがきっかけでした。

本に書いてあった住所を手がかりに手紙を出し、交流が始まり、鹿児島に講演にお招きしたり、私が金森学級に授業に出かけたりしました。私と金森先生は同じ1946年生まれ。大学卒業直後に家永教科書裁判の杉本判決に接し、「教育権は国民の側にある」という判決に胸がふるえる思いをしたり、金沢出身の児童文学者かつおきんや作品にのめりこんだりという共通の体験をしています。私の『死を学ぶ子どもたち』にも執筆協力してもらいました。その金森先生の学級(金沢市立南小立野小学校4年1組)の昨年1年間の実践を記録したNHKスペシャルが、5月11日放映されました。このMMでも紹介しましたが、私のパソコンにアドレスが登録されている方に、お知らせをおくりまくりました。たくさんの方が視てくださったらしく、感想がどっさり届きました。私だけで読むのはもったいないので、そのうちのいくつかを紹介します。                               

 (その1)

たった今、ビデオを見ました。さすが種村さんご推奨だけあります。何よりも、子供たちの顔が輝いています。特に印象に残ったのは、お父さんが亡くなった友だちに対する反応。そこへ、子供たちを導く金森先生の素晴らしさ。最後の亡くなったお父さんたちへの手紙、ユニークな発想。(子どもたちが亡くなった級友のお父さんに対して、空から見えるようにと校庭に大きな字で手紙を書いた)金森先生ご自身、二人のお子様を亡くされたご経験がある。ナレーションを聞いて、先生の力に納得しました。人は、体験することによって強い力になることがあるのですね。良い番組を拝見することが出来ました。ありがとうございます。(☆ 埼玉県在住主婦 50代)

(その2)

このところ、心の中にすっきりしないものがずっとあったのですが、金森学級を見て、少し元気をもらいました。子ども達が、友達を思う気持ちから先生に対して抗議する場面に感激しました。あそこまで先生と子ども達との信頼関係ができているのは、日頃、金森先生が自分の生き方を子ども達にぶつけているからだろうと思いました。最近、教師の資質を高めるためといって、やれ研修だ、やれ評価だといわれていますが、私だったら、わくわくする実践をたくさん見たり聞いたりすると、あんなふうに実践してみたいという気持ちが湧いてきて、やる気が出るのになと思います。(MLへの投稿 埼玉県 )

(その3)先日は,素敵なTVの情報ありがとうございました。今は,学校現場から離れて行政の仕事に携わっていますが,あの番組を見て,早く学校現場に戻りたいと強く感じました。子どもたちに囲まれて,あんなすばらしい学級経営ができたら本当に素敵だろうなと心から思いました。ありがとうございます。(鹿児島県在住 30代教師)

(その4)種村先生、こんばんは。

先日は、番組のご紹介、ありがとうございました。素晴らしかったです。ずっと、涙で見ました。子どもたちは、本当に純で可愛いですね。は、この頃、小学校の養護教諭であることをなんだか得したように感じることがあります。やはり、金森先生の学級のように、「いのち」や「人間」「つながること」が自然に日常の教育活動の中に組み込まれているような中で子どもたちは、あんな風に素晴らしく育っていくのだと思いました。榎本君の優しさが何とも言えませんね。「いのち」が教育の基本。と言う考え方、いつもそう思っていただけに金森先生の、その方針がうれしくてたまりませんでした。(実践は、雲泥の差ですが)今年は、いのち(健康)を3年〜6年の全ての学年で総合のテーマの一部として取り上げることになりました。私は、クラスを持ちませんので、何とか先生方の実践のよきアドバイザーとして、子どもたちの育ちの支えの部分になれたらと思っています。(熊本県 小学校養護教諭)

(その5)

御無沙汰しています。金森先生の番組を見ました。学級通信で親にも見て下さいと知らせたら番組を見ての感想も届きました。3年生の子ども達も何人かが親と見ていました。「お父さんとお母さん泣いていたよ」という子が数人いました。

金森先生はつながり合いということを口にされたと思いますが、子どもの学びは、個々の関わりの中でこそ育まれるものであって、あまりにも個人化した知識の獲得(受験学力、個人での習い事など)は、やはり限界があると思わずにはいられません。学習をする集団としての奥深いところでの一人一人のつながりを作る努力をクラスの中でつくらないかぎり(それが、子ども一人一人がもつ、命に触れる部分、お互いの友だち観などを丁寧に子どもに提示していくことかと思うのですが。歌を作ったり、友だちへの手紙を書かせたり、丁寧に言葉でつながりを作る姿も印象的でした。言葉を選び時分のことばで語る子ども達の姿もいいですね。)本当の学習はできないとやはり、考えました。

ステキな先輩教師がいますね。学校は日々子ども達がいるからこそ、子どもはもちろん、担任自身もハッピーな場所にできるところだと思いました。金森先生によろしくお伝え下さい。(☆ 兵庫県 小学校教師)

(その6)

種村様 今、NHKスペシャルを 見終ったところです。私も もらい泣きでした。クラス みんなの 命と命がぶつかっている授業ですね。感動しました。お知らせいただきまして 有難うございました。(東京都 中学校司書)

(その7)

 金森学級拝見しました。子供達の純粋な心に、三十路の私は涙を流しました。

 お手紙のやりとりなど、最近少子化で、大人の世界でも連帯感がなく希薄なのに、「つながりあう」という教育、いいなあと素直に思いました。ある子供の口からでた「学校にくるのはハッピーになるため」というのにも感動しました。金森哲学いいですね。私も都会で人に裏切られたりするたびに、「他人あっての自分」と思い聞かせてこれまでやってきたけれど、「学校に来るのはハッピーになるため」と小学生のころ、学んでいたら、大人になっているみんなももっと思いやりをもてた気がします。(東京都 30代 医療ジャーナリスト )

(その8)

こんばんは。ご案内ありがとうございました。家族4人で一緒に観ました。私の仕事を通した見方になってしまうと、石川テレビの番組の方が数段優れたものだと思いますが・・・金森先生や子ども達から受けた感動はなかなか言い表せません。子どもには力があるし、人間は強い。親でもある自分達は、それを押し殺してしまう負の力に立ち向かわなくてはいけないと思いました。以下、私の家族の感想です。

妻(失業中)「教育現場に戻りたい。」次女(小6)「あんなクラスで卒業を迎えたい。」長女(中2)「普通、子どもはあんな言葉は思いつかないのに、先生の指導やみんなの考えをひとつにすることであれだけの力が出るんだと思った。先生に自分の意見を言えるのは、クラスの仲間とつながっているという支えがあるからだと思う。」(鹿児島在住 テレビ局勤務以前 以前石川テレビが放送した金森学級の番組を放映してくださったことがあります)

(その9)

 今NHKテレビで金森先生の学級の授業の放映がありました。しっかり録画しました。娘が一緒に見ていて川遊びを「いいなあー」と羨ましがっていました(岡山在住 元図書館員)

(その10)

さきほど放映されたNHKスペシャル金森学級を見ました。やはり、教えられるのは私たち大人なのだと痛感しました。私は、教師ではありません。だから、子どもを亡くした母親として出来ることは普段の生活にありと思いました。いのちを伝える場と技量がないことを嘆いていたことを反省しました。出来ることは、すごく身近なところにあるのですね。(子どもさんを小児ガンで亡くされた方)

(その11)昨日の放送、見ました。とにかく、感動のしっぱなしでした。 先生も凄いとおもいますが、それにこたえているこどもたちもすばらしいですね。今の先生方に金森先生のような取り組みをしてもらうには、忙しすぎて難しいでしょうが、チームで取り組めないのかなあと思いました。

 この金森先生は、講演会などはされていないのでしょうか。できれば、金森先生の実際の体験談をきいてみたいですね。(鹿児島県在住 小児科医師)

(その12)

種村先生 ご無沙汰しております。このたびは、ご連絡いただき、ありがとうございました。

昨日のNHKスペシャル、素晴らしかったです。天国のお父さんにメッセージを送ろうとグラウンドに文字を書く場面は、涙が止まりませんでした。

「だれもが入ってみたくなるクラス」とアナウンスでいっていましたが、本当にその通りですね。かけがえのない時間を小さな体いっぱい使って生きている4年1組のみんなの姿からたくさんのことを学びました。

以前から金森学級の実践がテレビになるとは聞いていたのですが、教えていただかなかったら、見のがすところでした。取り急ぎお礼まで、ありがとうございました。(東京都 新聞社勤務)

(その13)こんにちは。お久しぶりです。

今ごろでなんですが、NHKスペシャル「子ども・輝けいのち」見ました見ました。昨日再放送をやっていたころ、日曜日の放送を録画していたのを見ておりました(^_^;)

いわゆる「いのちの授業」で想像する、授業そのものの様子ではなくて、金森先生の学級の1年の様子が収められていました。

素晴らしいご実践でした。ものすごく大切なことがたくさん込められていたと思います。

子どもたちの涙に、不覚にもわたしも泣いてしまいました。金森先生はいつでも、「思う」「感じる」、心を問題にしているのだと思います。

例えば、「傍観者もいじめの加害者である」ということを理屈でなく心から分かるようにしていきます。

話し合いの中で、「自分は幼稚園のときにいじめられてとてもつらかった。なのに、今、なんで自分はやめうようよ、といえなかったのか」と、最後は涙に詰まりながら発言する子がいました。凄い発言だと思います。

その子に共感することで、理屈でしかなかった言葉がほかの子どもたちの心にもしみこんでいくように思われました。つらすぎて、今までどうしても誰にもいえなかったこと(例えば、家族の死)それを自己開示して、涙とともに浄化し乗り越えていく姿を美しいと思いました。そういうことができる雰囲気を作っていることが金森先生の素晴らしさの一つなのかなと思いました。

ところで話は変わりますが番組の構成も凄いと思いました。たまたま、取材に行ったのでは出会えない出来事がたくさん収められています。1か月に1度くらい通ったくらいでも足りないでしょう。そういえば、初夏のころの画面では、カメラの方をチラッと意識する子どもが見られましたが、(水の中に飛び込んでいるところなど)後半は、子どもたちにカメラを意識している様子は感じられませんでした。かなり時間をかけて取材をしたのでしょうね。恐るべしNHK。(MLへの投稿 東京都 編集者)

その14)金森学級のテレビ、家族みんなで見ました。原石のようなこどもの輝きを、曇らせることなく、さらに輝くものにするのは、子どもたちの周囲にいる少し先に生まれた大人の使命だということを実感しました。

家庭で、文庫で、小学校で、文庫の会で、自分にできることは何か、改めて考えるきっかけになりました。放映のお知らせ、本当にありがとうございました。(鹿児島県 文庫の仲間)

さて、次回第4集は小児病棟の子ども達が主役です。埼玉県で、小児がんの子どもを持つ親の会、入院している子どもたちと遊ぶボランティアグル―プの運営をしている方から、「是非、次回もご覧ください。そして、病気であっても輝いている子ども達のいのちを実感してください。」とメールが入っています。たぶん、6月第2週の日曜日の放送です。