ザイム真理教・データリンク・2023年10月10日 10:26:32
ザイム真理教の誕生・森永卓郎著、
まえがき、
消費税を5%に引き上げるまで、日本の実質賃金は上昇していた・図表6・実質賃金と消費税率との関係・99頁・
図表8・国民負担率の推移・123頁・
!ザイム真理教の誕生・森永卓郎著・第5章 信者の人権と生活を破壊する・ザイム真理教の脅し・122〜135頁・
ザイム真理教の誕生・第!7章 強力サポーターと親衛隊・154頁・168頁
・大手新聞社とザイム真理教の関係・150
・第5章 信者の人権と生活を破壊する・ザイム真理教の脅し・122・
・ザイム真理教の脅し・
・第2章で述べたように、宗教とカルト教団の差は、信者の人権を侵害するようなやり方で金を集めるかどうかだ。宗教もウソをつくが、そのウソはあくまでも現世での信者に希望を与え、希望を持って生きられるようにするための「嘘も方便」なのだ。
・ところがザイム真理教は、財政破綻をすれば、ハイパーインフレや国債や為替の暴落が起きるぞと脅したうえで、必要のない増税を繰り返して、国民生活を破壊してしまうのだ。
・まず全体の動向からみておこう。図表8は、国民負担率の推移を見たものだ。国民負損率というのは、税金と社会保障負担が国民所得全体に占める割合のことで、国全体として所得の何%が税金や社会保険料などで持っていかれているのかという数字だ。
・2010年度の国民負担率は、37・2%だった。それがどんどん上がっていって、2022年度には45・5%と、ほぼ5割に達している。働いても半分が税金と社会保険料でもっていかれる計算だ。
・江戸時代は、享保年間(1716~1736年)までは四公民といって、収穫したコメの4割をお上に納めていた。つまり農民が手許に残せるコメは収穫量の6割だったのだ。
・124頁・9/22/2023 9:06:20 AM
・農民の取り分のなかには、種もみに回したり、農機具を購入するための分が含まれていて、6割でもがコメを十分に食べられる水準ではなかった。
・ところが、享保年間以降幕府の財政が悪化すると、五公5民に改められた。収穫米の5割を年貢として上納しなければならなくなったのだ。
・さすがにそれでは生活ができない農民は、全国各地で年貢の減免を要求して立ち上がる「一揆」に打って出た。また当に引っ越しの権利がなかったにもかかわらず、屋敷や農地を放棄して逃げ出す「逃散」が行なわれた。
・そうした歴史を受けて、2023年2月24日に国民負担率の数字が発表された直後、ネットの世界では「五公五民」がトレンド入りした。
・また、そうした状況を受けて明石市の房穂市長が「国民は諸外国並みにすでに十分するほど負担をしている。にもかかわらず、子育て支援も介護負担の軽減も一向に進まない。私たちのお金は、一体どこに消えているのだろう。江戸時代よりひどい時代に、私たちは生きているのかもしれない」とツイートした。
・さらに翌日には、国民負担率の年度ごとの数字を掲げ、「子ども時代(1960年代、70年代)は20%台で、今の半分程度。平成に入ってからも30%台だったのに、いつのまにか50%近くにまでなってしまった。まともな政治家を選んでこなかったツケが、今になって回ってきたということだろうか・・・」とツイートした。
・125頁・
・これに共感した実業家のひろゆき氏は「60歳以上の人達は、稼いだ額の8割を自分のお金として使えて、国立大学の学費も月2万円とかの時代。今の若者たちは稼いだ額の半分しか使えなくて、大学の学費は月10万円。この差を知らずに高齢者が「若者たちは元気が 「ない」とか「若者の車離れ」とか言ってる状況」とツイート。さらに「日本は搾取される若者たちと払った以上の額の年金を受け取る高齢者に分断されています」などと私見をつづった。まるで高齢者が若者から搾取をしていると言わんばかりのツイートだ。
・しかし、国民負担率の上昇は、本当に高齢者の責任なのか。
・国民負担率は、10年の37・2%から22年に47・5%へと10・3ポイント上がっている。そのうち租税負担が7・2ポイント、社会保険負担が3・0ポイントの上昇となっている。つまり、国民の大部分は、税が上昇したことの結果だ。
・なぜ租税負担率が上昇したのか。
・最大の理由は、2014年と2019年の2回にわたって消費税率が引き上げられ、消費率が引き上げられ、消費税が5%から10%に倍増したからだ。この消費税率引き上げがそもそも必要なものだったのかは、章を改めて検討していくが、ただ一つすでに明確になっていることは、大増税によって国民生活が追い詰められてしまったという事実だ。
・126頁・9/22/2023 9:15:06 AM
・もともと徳川家康は「百姓どもを、死なぬように生きぬように合点いたし収納申し付けるよう」と命じていたと伝えられる。しかし、幕府は農民が死んでしまうほど年貢米の比率を引き上げたのだ。
・私は小学6年生のときに教室で見せられたテレビ映像がいまでも忘れられない。年貢を少しでも減してほしいと懇願する農民を袖にしたお代官さまがポツリとこう言ったのだ。
・「百姓と菜種は絞れば絞るほど取れる」
・日本は重税国家
・次に国民負担率の国際比較(図表9)を見よう。海外の国民負担率は、少し古いデータしか公表されていないのだが、2020年のデータ(日本は2020年度)で見ると、国民負担率はアメリカが飛び抜けて低く、日本はイギリスよりもやや高く、大陸欧州諸国は日本よりもさらに高くなっている。
・しかし、大陸欧州との比較には注意が必要だ。大陸欧州は、総じて社会保障や教育のサービスレベルが日本より格段に高いからだ。
・128頁・9/22/2023 9:36:36 AM
・たとえば、スウェーデンは自国民であれば、私立大学でも公立大学でも学費は無料だ。
・ドイツも公立大学はフランス政府が大部分の学費を負担してくれる仕組みになっている。イギリスは地域ごとに大学の年間授業料が異なっており、イングランドでは上限 9250ポンド(約150万円)と高額だが、スコットランドの住民は城内の大学の授業料が無料となっている。
・ちなみに2016年のOECD加盟国で、GDPに占める小学校から大学までの教育機に対する公的支出の割合は、日本は2・9%で、比較可能な3カ国中で最下位だった。
・また、厚生労働省年金局が2018年7月30日に発表した「諸外国の年金制度の動向について」という資料によると、公的年金の所得代替率(現役世代の手取り収入に対する公的年金の割合)は、日本が34・6%であるのに対して、イギリス22・1%、ドイツ38・2%、アメリカ38・3%、スウェーデン36・6%、フランス60・5%となっている。ス ウェーデンは、公的年金のほかに義務的に加入する私的年金があり、それを加えた所得代替率 55・8%となっている。イギリスも義務ではないが、多くの人が加入する公的年金給付を超える私的年金がある。
・このように日本は、社会保障や公的サービスの給付水準が低いのに、税金や社会保障負担が大きい、「重税国家」になっているのだ。
・129頁・
・日本が重税国家に変貌するまで
・日本はどのようにして重税国家に変貌してきたのか。
・消費税導入前の1988年度と2022年度にかけての負担増のなかで、主要なものを整理したのが次ページの図表10だ。
・もっとも負担増が大きいのは、もちろん消費税増税だ。
・消費税収は、2022年度予算で21兆5730億円だが、これは国税分だけなので、地方税を入れると、27兆6577億円が国民に降りかかってきたことになる。
・次に大きいのは、年金保険料率の引き上げで、たとえば厚生年金の保険料率は12.4%から18・3%へと7・9ポイントも引き上げられている。それだけ負担を増やしたのに、厚生年金の支給開始年齢は60歳から65歳へと繰り延べられた。一方、国民年金の保険料は、月額7700円から1万6590円と2倍以上に上がっている。
・そのほかにも負担増は目白押しだ。東日本大震災の復興を支えるための復興特別所得税は、2013年から所得税に2・1%を上乗せする形で設けられていて、25年間続けられことになっていることになっているが、防衛増税との関係もあり、延長される可能性が高い。
・130頁・9/22/2023 9:40:05 AM
・一方、控除を縮小するという形での所得税増税も行なわれた。
・たとえば、サラリーマンの経費相当額を控除する目的で設けられている給与所得控除は、1988年当時は、給与収入に応じて無制限に増えていた。しかし、2013年分から、給与収入1500万円を超える場合の給与所得控除に245万円の上限が設けられた。また、2017年分からは、給与所得控除の上限が給与収入1000万円超で 220万円となり、さらに2020年分からは、給与所得控除の金額が、給与収入の金額が、給与収入の金額にかかわらず、一律10万円引き下げられるとともに、給与収入850万円を超える場合の上限が195万円とされることになった。
・こうして本来経費として控除されるはずの金額が所得に振り替えられ、増税されていったのだ。
・さらに、配偶者控除は、2018年から、夫婦どちらかの年収が1120万円を超えると減額になり、1220万円を超えるとゼロになるようになった。専業主婦の配偶者控除をさせていた配偶者特別控除は2004年に廃止された。そして、高齢者に適用されていた50万円の年者控除は2006年に廃止された。
・さらに、人によってはとてつもない増税になったのが2015年の相続税増税だった。それまでに5000万円プラス相続人1人当たり1000万円の基礎控除があった。
・132頁・9/22/2023 9:56:33 AM
・たとえば、配偶者と子ども2人で相続をする場合、8000万円までは相続税がかからないし、申告の必要もなかった。庶民には、相続税は縁のない税金だった。それが3000万円プラス相続人1人当たり600万円に減額されたため、配偶者と子ども2人で相続をする場合の基礎控除は4800万円に減額された。つまり、基礎控除の額が4割減となったのだ。このため、大都市に不動産を持つ被相続人の場合、相続税の対象となる人が激増したのだ。
・医療の負担も、サラリーマンの窓口負担が2割から3割に増額され、後期高齢者医療保もされるようになった。
・また、2022年10月からは、中所得の後期高齢者の窓口負担が倍増された。単身者の場合、年収200万円以上383万円未満の医療費窓口負担は、それまで1割負担だったが、それを2割負担に変えたのだ。
・それまでの制度では、後期高齢者の窓口負担は原則1割で、現役世代並み所得の人(単身世帯で年収383万円以上)のみが3割負担になっているのだが、新たに「中所得層」区分を設けて、その窓口負担を倍増させたのだ。
・133頁・
・この中所得層の200万円というラインはかなり微妙だ。現在の厚生年金受給者の平均年金月額は14万5666円だから、年額は175万円だ。年金が平均より少し高い人や動労収入がある人は、対象になる可能性が高い。実際、政府の試算でも窓口負担倍増となるのは、75歳以上の2割、370万人と見込まれた。
・この窓口負担増は、2021年6月に成立した医療制度改革関連法で決まっていたのだが、実施時期については2022年10月から2023年3月の間と、幅を持たせていた。実際には、そのなかでもっとも早い時期に負担増が実施されたのだ。
・あまり長く書いても仕方がないので、残りは表をご覧いただくことにして、負担増が庶民、特に高齢者に集中して行なわれていることには注意が必要だろう。「同性愛者には生産性がない」と言って世間から集中砲火を浴びた政治家がいたが、政府のやっていること 高齢者には生産性がない」と言っているのと同じなのだ。
・なぜ日本は30年間成長できなかったのか
・社会政策の犠牲者になったのは、高齢者だけでなく、一般の勤労者世帯も同じだ。図表11は、総務省「家計調査」を用いて、消費税導入前と2021年度の家計の比較を行なったものだ。
・まず、勤労者世帯の家計を3年前と比較すると、世帯主収入は474万円から533万円へと12%増えている。
・134頁・9/22/2023 10:04:51 AM
・ところが、所得税と住民税を合わせた直接税は41万円増え、年金保険料や 健康保険料などの社会保険料は41万円、111・3%も増えている。税金と社会保険料を合計した社会保険料負担は45万円、50・1%増と、収入を圧倒する伸びを示している。その結果、手取収入は14万円、3・8%しか増えていない。
・念のために付け加えておくと、この表で使ってい手取り収入は、正確ではない。
・なぜなら、税金と社会保険料には、世帯主以外の働き手が納めた分も含まれているからだ。ただ、世帯主以外が稼いでいる勤労収入は家計全体の1~2割であり、その収入は所得税や社会保険料のかからない水準のものが大部分であるため、無視しても大きな間違いにはならないだろう。
・135頁・
・さて、税金と社会保険料だけを差し引いた世帯主収入は、33年間で384万円から398万円へと3・8%増加している。しかし、注意しておかなければならないことは、この期間で消費税率が0%から10%(食料品は8%) に引き上げられているということだ。この間接税の負担増は、32万円に及んでいる。つまり年間で、税金は38万円、社会保険料は41万円も増えたことになるのだ。
・消費税増税分も含めた税社会保険料を差し引いた世帯主収入の手取りは、384万円か3 66万円、18万円も減少している。
・なぜ、日本経済がこの30年間、ほとんど成長しなかったのかという疑問がしばしば提起さている。
・日本企業がイノベーションを怠ったからだとか、終身雇用・年功序列処遇が時代に合わなくなったからだとか、企業が雇用を守るために賃金を抑え込んだからだなどといろいろが出されているが、この表を見れば、答えは明らかだろう。
・日本経済が成長できなくなった最大の理由は「急激な増税と社会保険料アップで手取り人が減ってしまったから」だ。
・使えるお金が減れば、消費が落ちる。消費が落ちれば、企業の売上げが減る。そのため企業は人件費を削減せざるを得なくなる・・・という悪循環が続いたのだ。
・ザイム真理教は、国民生活どころか、日本経済まで破壊してしまったのだ。
・136頁、五章終わり、9/22/2023 10:26:54 AM・
・日本は重税国家・126
・日本が重税国家に変貌するまで・129
・なぜ日本は30年間成長できなかったのか・133
2023年9月22日 13:45:10
ザイム真理教の誕生・森永卓郎著・第5章 信者の人権と生活を破壊する・ザイム真理教の脅し・122・
・第2章で述べたように、宗教とカルト教団の差は、信者の人権を侵害するようなやり方で金を集めるかどうかだ。宗教もウソをつくが、そのウソはあくまでも現世での信者に希望を与え、希望を持って生きられるようにするための「嘘も方便」なのだ。
・ところがザイム真理教は、財政破綻をすれば、ハイパーインフレや国債や為替の暴落が起きるぞと脅したうえで、必要のない増税を繰り返して、国民生活を破壊してしまうのだ。
・まず全体の動向からみておこう。図表8は、国民負担率の推移を見たものだ。国民負損率というのは、税金と社会保障負担が国民所得全体に占める割合のことで、国全体として所得の何%が税金や社会保険料などで持っていかれているのかという数字だ。
・2010年度の国民負担率は、37・2%だった。それがどんどん上がっていって、2022年度には45・5%と、ほぼ5割に達している。働いても半分が税金と社会保険料でもっていかれる計算だ。
・江戸時代は、享保年間(1716~1736年)までは四公民といって、収穫したコメの4割をお上に納めていた。つまり農民が手許に残せるコメは収穫量の6割だったのだ。
・124頁・9/22/2023
9:06:20 AM
・農民の取り分のなかには、種もみに回したり、農機具を購入するための分が含まれていて、6割でもがコメを十分に食べられる水準ではなかった。
・ところが、享保年間以降幕府の財政が悪化すると、五公5民に改められた。収穫米の5割を年貢として上納しなければならなくなったのだ。
・さすがにそれでは生活ができない農民は、全国各地で年貢の減免を要求して立ち上がる「一揆」に打って出た。また当に引っ越しの権利がなかったにもかかわらず、屋敷や農地を放棄して逃げ出す「逃散」が行なわれた。
・そうした歴史を受けて、2023年2月24日に国民負担率の数字が発表された直後、ネットの世界では「五公五民」がトレンド入りした。
・また、そうした状況を受けて明石市の房穂市長が「国民は諸外国並みにすでに十分するほど負担をしている。にもかかわらず、子育て支援も介護負担の軽減も一向に進まない。私たちのお金は、一体どこに消えているのだろう。江戸時代よりひどい時代に、私たちは生きているのかもしれない」とツイートした。
・さらに翌日には、国民負担率の年度ごとの数字を掲げ、「子ども時代(1960年代、70年代)は20%台で、今の半分程度。平成に入ってからも30%台だったのに、いつのまにか50%近くにまでなってしまった。まともな政治家を選んでこなかったツケが、今になって回ってきたということだろうか・・・」とツイートした。
・125頁・
・これに共感した実業家のひろゆき氏は「60歳以上の人達は、稼いだ額の8割を自分のお金として使えて、国立大学の学費も月2万円とかの時代。今の若者たちは稼いだ額の半分しか使えなくて、大学の学費は月10万円。この差を知らずに高齢者が「若者たちは元気が 「ない」とか「若者の車離れ」とか言ってる状況」とツイート。さらに「日本は搾取される若者たちと払った以上の額の年金を受け取る高齢者に分断されています」などと私見をつづった。まるで高齢者が若者から搾取をしていると言わんばかりのツイートだ。
・しかし、国民負担率の上昇は、本当に高齢者の責任なのか。
・国民負担率は、10年の37・2%から22年に47・5%へと10・3ポイント上がっている。そのうち租税負担が7・2ポイント、社会保険負担が3・0ポイントの上昇となっている。つまり、国民の大部分は、税が上昇したことの結果だ。
・なぜ租税負担率が上昇したのか。
・最大の理由は、2014年と2019年の2回にわたって消費税率が引き上げられ、消費率が引き上げられ、消費税が5%から10%に倍増したからだ。この消費税率引き上げがそもそも必要なものだったのかは、章を改めて検討していくが、ただ一つすでに明確になっていることは、大増税によって国民生活が追い詰められてしまったという事実だ。
・126頁・9/22/2023
9:15:06 AM
・もともと徳川家康は「百姓どもを、死なぬように生きぬように合点いたし収納申し付けるよう」と命じていたと伝えられる。しかし、幕府は農民が死んでしまうほど年貢米の比率を引き上げたのだ。
・私は小学6年生のときに教室で見せられたテレビ映像がいまでも忘れられない。年貢を少しでも減してほしいと懇願する農民を袖にしたお代官さまがポツリとこう言ったのだ。
・「百姓と菜種は絞れば絞るほど取れる」
・日本は重税国家
・次に国民負担率の国際比較(図表9)を見よう。海外の国民負担率は、少し古いデータしか公表されていないのだが、2020年のデータ(日本は2020年度)で見ると、国民負担率はアメリカが飛び抜けて低く、日本はイギリスよりもやや高く、大陸欧州諸国は日本よりもさらに高くなっている。
・しかし、大陸欧州との比較には注意が必要だ。大陸欧州は、総じて社会保障や教育のサービスレベルが日本より格段に高いからだ。
・128頁・9/22/2023 9:36:36 AM
・たとえば、スウェーデンは自国民であれば、私立大学でも公立大学でも学費は無料だ。
・ドイツも公立大学はフランス政府が大部分の学費を負担してくれる仕組みになっている。イギリスは地域ごとに大学の年間授業料が異なっており、イングランドでは上限 9250ポンド(約150万円)と高額だが、スコットランドの住民は城内の大学の授業料が無料となっている。
・ちなみに2016年のOECD加盟国で、GDPに占める小学校から大学までの教育機に対する公的支出の割合は、日本は2・9%で、比較可能な3カ国中で最下位だった。
・また、厚生労働省年金局が2018年7月30日に発表した「諸外国の年金制度の動向について」という資料によると、公的年金の所得代替率(現役世代の手取り収入に対する公的年金の割合)は、日本が34・6%であるのに対して、イギリス22・1%、ドイツ38・2%、アメリカ38・3%、スウェーデン36・6%、フランス60・5%となっている。ス
ウェーデンは、公的年金のほかに義務的に加入する私的年金があり、それを加えた所得代替率 55・8%となっている。イギリスも義務ではないが、多くの人が加入する公的年金給付を超える私的年金がある。
・このように日本は、社会保障や公的サービスの給付水準が低いのに、税金や社会保障負担が大きい、「重税国家」になっているのだ。
・129頁・
・日本が重税国家に変貌するまで
・日本はどのようにして重税国家に変貌してきたのか。
・消費税導入前の1988年度と2022年度にかけての負担増のなかで、主要なものを整理したのが次ページの図表10だ。
・もっとも負担増が大きいのは、もちろん消費税増税だ。
・消費税収は、2022年度予算で21兆5730億円だが、これは国税分けなので、地方税を入れると、27兆6577億円が国民に降りかかってきたことになる。
・次に大きいのは、年金保険料率の引き上げで、たとえば厚生年金の保険料率は12.4%から18・3%へと7・9ポイントも引き上げられている。それだけ負担を増やしたのに、厚生年金の支給開始年齢は60歳から65歳へと繰り延べられた。一方、国民年金の保険料は、月額7700円から1万6590円と2倍以上に上がっている。
・そのほかにも負担増は目白押しだ。東日本大震災の復興を支えるための復興特別所得税は、2013年から所得税に2・1%を上乗せする形で設けられていて、25年間続けられことになっていることになっているが、防衛増税との関係もあり、延長される可能性が高い。
・130頁・9/22/2023 9:40:05 AM
・一方、控除を縮小するという形での所得税増税も行なわれた。
・たとえば、サラリーマンの経費相当額を控除する目的で設けられている給与所得控除は、1988年当時は、給与収入に応じて無制限に増えていた。しかし、2013年分から、給与収入1500万円を超える場合の給与所得控除に245万円の上限が設けられた。また、2017年分からは、給与所得控除の上限が給与収入1000万円超で 220万円となり、さらに2020年分からは、給与所得控除の金額が、給与収入の金額が、給与収入の金額にかかわらず、一律10万円引き下げられるとともに、給与収入850万円を超える場合の上限が195万円とされることになった。
・こうして本来経費として控除されるはずの金額が所得に振り替えられ、増税されていったのだ。
・さらに、配偶者控除は、2018年から、夫婦どちらかの年収が1120万円を超えると減額になり、1220万円を超えるとゼロになるようになった。専業主婦の配偶者控除をさせていた配偶者特別控除は2004年に廃止された。そして、高齢者に適用されていた50万円の年者控除は2006年に廃止された。
・さらに、人によってはとてつもない増税になったのが2015年の相続税増税だった。それまでに5000万円プラス相続人1人当たり1000万円の基礎控除があった。
・132頁・9/22/2023 9:56:33 AM
・たとえば、配偶者と子ども2人で相続をする場合、8000万円までは相続税がかからないし、申告の必要もなかった。庶民には、相続税は縁のない税金だった。それが3000万円プラス相続人1人当たり600万円に減額されたため、配偶者と子ども2人で相続をする場合の基礎控除は4800万円に減額された。つまり、基礎控除の額が4割減となったのだ。このため、大都市に不動産を持つ被相続人の場合、相続税の対象となる人が激増したのだ。
・医療の負担も、サラリーマンの窓口負担が2割から3割に増額され、後期高齢者医療保険料も課されるようになった。
・また、2022年10月からは、中所得の後期高齢者の窓口負担が倍増された。単身者の場合、年収200万円以上383万円未満の医療費窓口負担は、それまで1割負担だったが、それを2割負担に変えたのだ。
・それまでの制度では、後期高齢者の窓口負担は原則1割で、現役世代並み所得の人(単身世帯で年収383万円以上)のみが3割負担になっているのだが、新たに「中所得層」区分を設けて、その窓口負担を倍増させたのだ。
・133頁・
・この中所得層の200万円というラインはかなり微妙だ。現在の厚生年金受給者の平均年金月額は14万5666円だから、年額は175万円だ。年金が平均より少し高い人や動労収入がある人は、対象になる可能性が高い。実際、政府の試算でも窓口負担倍増となるのは、75歳以上の2割、370万人と見込まれた。
・この窓口負担増は、2021年6月に成立した医療制度改革関連法で決まっていたのだが、実施時期については2022年10月から2023年3月の間と、幅を持たせていた。実際には、そのなかでもっとも早い時期に負担増が実施されたのだ。
・あまり長く書いても仕方がないので、残りは表をご覧いただくことにして、負担増が庶民、特に高齢者に集中して行なわれていることには注意が必要だろう。「同性愛者には生産性がない」と言って世間から集中砲火を浴びた政治家がいたが、政府のやっていること
高齢者には生産性がない」と言っているのと同じなのだ。
・なぜ日本は30年間成長できなかったのか
・社会政策の犠牲者になったのは、高齢者だけでなく、一般の勤労者世帯も同じだ。図表11は、総務省「家計調査」を用いて、消費税導入前と2021年度の家計の比較を行なったものだ。
・まず、勤労者世帯の家計を3年前と比較すると、世帯主収入は474万円から533万円へと12%増えている。
・134頁・9/22/2023 10:04:51 AM
・ところが、所得税と住民税を合わせた直接税は41万円増え、年金保険料や
健康保険料などの社会保険料は41万円、111・3%も増えている。税金と社会保険料を合計した社会保険料負担は45万円、50・1%増と、収入を圧倒する伸びを示している。その結果、手取収入は14万円、3・8%しか増えていない。
・念のために付け加えておくと、この表で使ってい手取り収入は、正確ではない。
・なぜなら、税金と社会保険料には、世帯主以外の働き手が納めた分も含まれているからだ。ただ、世帯主以外が稼いでいる勤労収入は家計全体の1~2割であり、その収入は所得税や社会保険料のかからない水準のものが大部分であるため、無視しても大きな間違いにはならないだろう。
・135頁・
・さて、税金と社会保険料だけを差し引いた世帯主収入は、33年間で384万円から398万円へと3・8%増加している。しかし、注意しておかなければならないことは、この期間で消費税率が0%から10%(食料品は8%) に引き上げられているということだ。この間接税の負担増は、32万円に及んでいる。つまり年間で、税金は38万円、社会保険料は41万円も増えたことになるのだ。
・消費税増税分も含めた税社会保険料を差し引いた世帯主収入の手取りは、384万円か3 66万円、18万円も減少している。
・なぜ、日本経済がこの30年間、ほとんど成長しなかったのかという疑問がしばしば提起さている。
・日本企業がイノベーションを怠ったからだとか、終身雇用・年功序列処遇が時代に合わなくなったからだとか、企業が雇用を守るために賃金を抑え込んだからだなどといろいろが出されているが、この表を見れば、答えは明らかだろう。
・日本経済が成長できなくなった最大の理由は「急激な増税と社会保険料アップで手取り人が減ってしまったから」だ。
・使えるお金が減れば、消費が落ちる。消費が落ちれば、企業の売上げが減る。そのため企業は人件費を削減せざるを得なくなる・・・という悪循環が続いたのだ。
・ザイム真理教は、国民生活どころか、日本経済まで破壊してしまったのだ。
・136頁、五章終わり、9/22/2023 10:26:54 AM・
・日本は重税国家・126
・日本が重税国家に変貌するまで・129
・なぜ日本は30年間成長できなかったのか・133
・カルト教団の特徴の一つは、信者たちから高額の献金を集めて、信者の生活を破壊する一方で、教祖や教団幹部は豪勢な暮らしをしているということだ。ザイム真理教の場合もそれは同じだ。
・たとえば、財務省の天下りポストのなかで最高峰と言えるのは、日銀総裁だろう。かつては事務次官の指定席と呼ばれ、日銀総裁のポストは、日銀プロパーと財務省出身者が交互に就任するタスキ掛け人事が行なわれてきた。多くの天下り先は、処遇が公表されていないのだが、日銀総裁だけは、ほぼ完全に公開されている。
・日銀の年収は3515万円で、内閣総理大臣の4032万円よりも低いが、2941万円の国務大臣よりも高い。これだけ豪華な天下り先は、ほかの官庁にはない。霞が関のなかで財務省の天下り先の豊富さは広く知られていて、かつてはノンキャリアにまで完全な天下りのあっせんをしていた。天下り先では何年か勤めて、千万単位の退職金
もらい、また別の天下り先に移って退職金を受け取る「わたり」と呼ばれる行動も頻繁に行なわれてきた。民間企業とは大違いの「定年後」が待っているのだ。
・139頁・
・老後厚遇だけではない。予算の削減に血道をあげる財務省が、一切手を付けないのが、国家公務員の人件費だ。
・国税庁の「民間給与実態統計調査」によると2021年民間企業従業員の平均年収は 443万円だ。一方、「国家公務員給与等実態調査」によると、国家公務員の平均給与月額は4万3000円で、これに年間4・3ヵ月分の賞与を加えると、平均年収は681万 円と推計される。国家公務員の年収は、民間よりも50%も高いのだ。
・なぜそんなことが起きているのか。
・国家公務員法では、公務員給与の民間準拠が定められているが、実際に人事院が民間給調査している対象は、正社員だけなのだ。民間企業では、どんどん非正社員の割合が高まっている。しかし、そのことは国家公務員給与の算定には一切反映されていない。
・私は、国家公務員の給与は、非正社員を含む国民全体の平均に合わせるべきだと考えている。そうすれば、官僚は自らの報酬を上げようと、非正社員の待遇改善に向けた政策に真剣に取り組むようになると思うからだ。また、国家公務員はリストラや倒産の心配がないのだから、正社員を含めた平均給与に準拠することでも就職希望者がいなくなることはないだろう。
・ただ百歩譲って、国家公務員給与を民間の「正社員」のと比較するとしても、国税庁の民間給与実態統計調査によると、民間の正社員の平均年収は508万4000円だか民間の正社員平均と比べても、国家公務員の年収は30%も高いことになる。
・140頁・9/23/2023
6:02:39 AM
・なぜそんなことが起きているのかと言えば、人事院の民間企業給与の調査が「50人規模以上の事業所に限られているからだ。事業所というのは、営業所とか、支店、工場という意味だ。そして事業所に50人以上の従業員を抱えているのは、大企業の場合が圧倒的に多い。実際、2021年に人事院が調査した9583の民間事業所のうち、企業規模 100人以上の割合は82・4%、1000人以上の割合でも29・3%に達している。つまり、国家公務員の給与は、大企業の正社員というエリート中のエリートの給与に合わせているということだ。
・もし、国家公務員の平均年収を、非正社員を含む民間平均年収に合わせたとすると、国が負担する公務部門の人件費は8・4兆円だから、公務員の給与水準を民間平均に合わせるだけで2兆9000億円の財源を捻出できることになるのだ。
・荒唐無稽なことと思われるかもしれないが、東日本大震災の際には復興財源捻出のため国家公務員給与の平均7・8%削減が行なわれた。ただ、復興特別所得税が25年間続けられているのに、給与削減はたった2年で終わってしまった。財政が苦しくて財源を確保する必要があると言うなら、公務員給与の在り方をもう一度議論すべきだろう。
・141頁・
・国家公務員が迎える理想的な定年延長
・2022年まで60歳となっていた国家公務員の定年年齢が、2023年から60歳に延長 された。これ以降も2年に1歳のペースで延長され、2031年には65歳になる。
・厚生労働省が2022年に調べた「高年齢者雇用状況等報告」によると、定年年齢を65歳としている企業は22%しかないから、公務員は一律の定年延長を受けられるだけでもかり優遇されている。しかも具体的な処遇をみると、公務員優遇がますます鮮明になる。
・一つは、賃金低下が少ないということだ。管理職は60歳時点で役職を解かれるが、61歳以降も60歳時の7割が支給される。また役職定年の年齢は一律60歳ではなく、それよりも高年齢まで役職が続けられるポストも作られた。60歳定年の民間企業では、再雇用後の賃金は半分くらいになるのがふつうで、3分の1という企業もあるなかで、これは かなりの好待遇といえる。
・もう一つ有利なところは、多様な60歳後が選べる設計になっていることだ。60歳の時点で辞めることもできるし、60歳時点で一旦退職し、短時間勤務職員として再任用されることもできる。しかも、そのときは、労働時間の減少分を減額されるだけだ。民間企業の場合、短時間勤務者として再雇用されると、いわゆるパートタイマーと同程度の時給になってしまう場合が多いから、この差はとてつもなく大きいのだ。
・142頁・9/23/2023
6:22:51 AM
・さらに退職金の計算では、60歳以降、何歳で退職しても定年退職扱いの退職金が支払われるうえに、減額前の俸給月額の最高額を考慮して退職手当の支給額を算定する「ピーク時特例」が適用される。65歳の定年年齢で退職した場合、これまでの退職金が保証されるだけでなく、60歳以降勤務した5年間も勤続年数に加算されることになっている。
・そもそも国家公務員の退職金は支給水準が高い。内閣官房内閣人事局の「退職手当の支給状況」によると、2021年度の定年退職者の平均退職金支給額は、2106万円となっている。一方、民間の退職金については、2018年までしか公的統計が出ていないのだが、大学・大学院卒で1983万円、高卒の管理・事務職で1618万円、高卒の現 業職で1159万円だ。いかに国家公務員の退職金が高いかがおわかりいただけるだろう。そして、定年延長にともなって、さらに国家公務員の退職金は増えていくのだ。
・国民年金延長は官僚のため?
・143頁・
・2022年10月、政府は国民年金の保険料納付期間を現行の40年間から5年延長して年間とする案を議論する方針を固めた。国民年金の目減りを防ぐためだ。
・2023年現在、国民年金給付は、満額で月額6万4816円だ。決して十分な金額ではないが、今後の少子高齢化の影響で、大きな減額が予想される。厚生労働省の財政検証をもとに計算すると、経済成長も労働力率の上昇もない最悪のケースの場合、30年後の国民年金は3万9000円にまで低下する。さすがにそれでは食べていけない。
・2022年9月2日の日本経済新聞が、政府は国民年金給付額を少なくとも5万円台に持する方策を講じると報じた。財源としては、厚生年金の保険料負担だとされていた。
・私は大きな違和感を覚えた。まず、厚生年金の保険料は、労使合計で、18・3%という固定されており、それを引き上げる制度変更は容易ではない。現実問題としても、これ以上の厚生年金保険料の引き上げなどしたら、現役世代の生活が成り立たなくなってしまう。また、国民年金にさらなる税金投入をすることも緊縮財政を進める岸田政権がするとはとても思えなかったのだ。
・ところが、国民年金保険料納付期間の延長を行なえば、単純計算で納める国民年金保険料の額が12・ 5%増えるから、年金財政がそれだけ潤う。財政資金投入の必要はなくなるのだ。
・144頁・9/23/2023
6:46:43 AM・144
・ただ、大きな問題は二つある。一つは60歳で定年を迎えた後、悠々自適の人生を送ろうと考えていた人の人生設計を破壊してしまうことだ。
・60歳で引退し、年金支給開始年齢の65歳までは、退職金と貯蓄を取り崩しながら暮らせば、60代前半は体力が十分あるので、さまざまな趣味を楽しむことができる。悠々自適の生活だ。
・しかし、国民年金の月額保険料は、2023年現在1万6590円だ。夫婦2人分で 3万3180円となる。将来的にはもっと上がる可能性が高いが、現在の保険料でも、節約しながら老後を楽しもうとしている人たちにはとてつもなく大きな負担となる。大雑把に言えば、65歳までに追加で支払う国民年金保険料は、1人あたり100万円、夫婦2人で200万円ということになる。つまり、定年後に悠々自適をする世帯には200万円の罰金を科すということだ。
・もう一つの問題は、国民年金の負担が一部の人たちに偏るということだ。65歳に達するまで国民年金保険料を払い続けなければならない人は、無職の人、自営業やフリーランスの人、パートタイマーで働く人などに限られる。厚生年金に加入するフルタイム労働者は、国民年金を支払う必要がない。厚生年金保険料のなかに基礎年金相当分が含まれているからだ。
・145頁・
・私は、官僚が「ずるい仕掛け」を考えたなと思った。 60歳だった国家公務員の定年年齢はすでに延長が始まっていて、2031年には65歳に完全に移行する。つまり、国民年金 の納付期限が65歳までになったところで、国家公務員は65歳までフルタイムで働くのだか
ら、その懐は一切痛まないのだ。
・ただ、今回の制度改正には、さらなる年金制度の改悪が透けて見える。それは国民年金
保険料の納付70歳まで延長するということだ。もちろんそのときは、年金給付も70歳からにする。65歳までの保険料負担延長だけでは、給付減に十分対応できない。しかし、70 歳に変更すれば、現行水準以上の給付が可能になる。最終的な狙いはそこにあるのではないか。もちろんそうなったら公務員の定年70歳まで延長する。そうすれば公務員の懐は痛まないのだ。
・官僚バイアス
・2022年の出生数が79万9728人と、前年より4万3169人減少して、統計開始以来初めて80万人を下回った。
・とてつもない出生に対応するため、2023年1月4日に三重県伊勢市で行なった年頭会見で「これ以上放置できない待ったなしの課題として、「異次元の少子化対策に挑戦する」と表明した。
・146頁・9/23/2023
7:01:04 AM
・もともとは「子ども予算倍増」の道筋を2023年6月の「骨太の方針」で示すとしていたが、予定を繰り上げて、子ども政策の強化を4月までにまとめるよう小倉少子化対策担当大臣に指示した。
・具体的には、すでに明らかになっている出産育児一時金の50万円への増額のほか、児童手当や幼児教育・保育サービスの拡充、育児休業制度の強化などが見込まれている。
・こうした政府の動きと歩調を合わせるように、小池百合子東京都知事も1月4日に18歳までの子どもに月額5000円の給付を所得制限なしで行なう方針を表明した。もちろん 少子化対策は必要なのだが、問題はいま検討されている出産・子育て対策は、ほとんど効果を持たないだろうということだ。
・「出生動向基本調査」によると、2020年時点の夫婦の完結出生児数は1・9だ。つまり結婚さえすれば、いまでも2人に近い子どもが生まれている。いまの深刻な少子化は、非婚化が原因で発生している。正確に言うと、結婚しないのではなく、結婚できないのだ。
・私のゼミの女子学生に「相手の年収がいくらだったら結婚しますか」と聞いたら、全員
が500万円以上と答えた。もちろんこれは希望ベースだが、労働政策研究・研修機構が2014年に発表した報告書で、20代後半男性の既婚率をみると、年収150万~ 199万円が17%であるのに対して、年収500万~599万円だと53・3%跳ね上がる。非正規社員の平均年収は170万円だから、非正規社員の男性はほとんど結婚してもらえないのだ。
・147頁・
・これを前提にしたら、少子化対策は、最低賃金を大幅に引き上げるか、同一労働同一貫をするなどして、所得格差を縮めるべきなのだが、そうした対策は一切出てこない。
・その理由は「官僚バイアス」だと思う。
・政策を考えるキャリア官僚は、省内結婚をして、パワーカップルになっていることが多い。彼らは、自分たちの子に何をしてくれたら嬉しいか考える。
・すると保育所の待機児童解消とか出産一時金の増額、あるいは子育てを希望する。実際、そうした政策はずいぶん進んでいる。
・たとえば、内閣府ベビーシッター利用者支援事業をご存じだろうか。
・ベビーシッター利用時に最大1日4400円、年間最大63万円が出る。ただし、自分のする企業が支援事業の事業主となっていることが条件で、国家公務員は対象になっている。そうした事業が効果なしとは言わないが、誰でも結婚できる世の中にしないと、出生数は回復しない
・148頁・9/23/2023
7:08:38 AM
・つまり、現状は、少子化対策を口実に、パワーカップルの生活をますます改善する政策が採られているのだ。
・政府が子育て支援策に終始して、なぜ出生数の増加に結びつく低所得者の収入底上げをしないのかという点に関しては、官僚バイアスのほかにもう一つ重要な理由がある。
・それが財政問題だ。財政的に負担が大きいのは、高齢者のほかに子どもなのだ。義務教育だけでなく、子どもにはさまざまなコストがかかる。子どもは納税をしないから、純粋な持ち出した。だから、財政的に一番負担の小さい社会は、子育て期間に家にいる女性全員労働市場に引っ張り出して、税金と社会保険料を払ってもらうようにすることが、財政収支改善に一番役立つのだ。
・さらに、政治的にも、低所得者への所得再分配を強化するよりも、子育て世代に資金をばらまいたほうが、票が集められる。
・そんなことをしているから、日本は少子化が止まらず、国力が衰退していくのだ。
・149頁・
第7章・強力サポーターと親衛隊
ザイム真理教の誕生・第7章 強力サポーターと親衛隊・154頁・168頁・
・大手新聞社とザイム真理教の関係・150
・富裕層というサポーター・
・上げられた際、食料品とともに新聞は、税率が適用されることになった。生活必需品という理由からだが、生活必需品である電気やガス、水道は軽率の対象とならなかった。電気やガス、水道よりも、定期購読の新聞は、軽減税率が適用されることになった。生活必需品という理屈はどう考えても理解しがたい。
・さらに、週刊誌、新聞と同じように報道の仕事をしているのだが、こちらは軽減税率の対象となっていない。なぜ新聞だけが軽減税率の対象になったのか、納得いく説明はなされていないのだ。
・大手の民間テレビ局は、新聞社の系列になっており、しかも新聞を素材とした報道を行なうことも多い。その媒体で連日ザイム真理教の教義を流されたら、国民が騙されてしまうのは、当然といってもよいことなのだ。
・富裕層というサポーター
・ザイム真理教のもう一人の強力なサポーターは富裕層だ。
・富裕層を味方につけておけば、財務省が天下り先に困ることはないし、何よりも富裕層は政治的な力を持っているから、教団を守ってもらうのに都合がよいのだ。だから、ザイム真理教が負担増を押し付けるのは庶民が中心で、富裕層の負担は目立たないように、しかし
猛烈に低くしている。
・155頁・
・まず、その象徴となる図表を見ていただきたい。次ページに掲載するのが、所得別の税・社会保険料負担比率の図表で、俗に1億円の壁と呼ばれるものだ。
・日本の所得税制は累進課税制度になっているから、所得が増えるほど税率が上がる構造になっている。確かに所得が1億円までは、そのとおりになっているのだが、所得が1億円を超えると、所得税・社会保険料負担率が急激に下がっていくのだ。
・特に年間所得50億~100億円の階層の負担率は、年間所得200万~250万円という庶民よりも低いという許しがたいことが起きているのだ。
・こうした現象が発生する理由は二つある。
・一つは、金融所得課税だ。動労収入には、そのまま累進課税の所得税がかかるが、株式の売却益や配当から得られる金融所得は、分離課税になっていて、一律20・315%(所得税及び復興特別所得税15・315%、住民税5%)を支払えば、すべての納税が済んでしまう。100億円稼いでも、100億円稼いでも税率は変わらないのだ。
・もう一つは、厚生年金保険料や健康保険料には負担の上限があるということだ。たとえ厚生年金は、月給65万円を超えると、それ以上の部分には保険料が一切かからない。健康保険も、月給135万5000円を超えると、それ以上の部分には保険料が一切かからないのだ。
・156頁・9/23/2023
10:09:40 AM
・なぜ無制限に保険料を取らないのか、厚生労働省の官僚に聞いたことがある。
・彼の答えは「もし、上限を外したら、とんでもない厚生年金を受け取る高齢者が生まれて、不平等の温床となる」という答えだった。
・しかし、それはとんでもない詭弁だ。
・極端な例で検証してみよう。月給が10億円のサラリーマンがいたとしよう。もし負担上眼がなければ、彼が負担する月額保険料は、毎月1億8300万円だ(企業負担分を含む)。そのまま40年働いたとして、彼がもらう厚生年金は、年額20億3000万円になる。確かにものすごい年金だ。
・しかし、一方で彼が生涯に納める保険料は878億円だ。これを取り戻そうと思ったら、彼は65歳以降33・4年生きないと納付した保険料を取り戻せないことになる。65歳の平均余命は、男性19年、女性24年だから、とても取り戻すことはできないのだ。
・なぜそうしたことが起きるのかと言えば、公的年金制度自体が所得再分配の機能を持っているからだ。所得の低い人は、払った以上にもらうことができるが、高所得者になるほど払った分が戻る率が減るのだ。
・158頁・9/23/2023
10:27:56 AM
・さらに、厚生年金には在職老齢年金という制度がある。年金月額と月給の合計が47万円を超えると、超えた分の2分の1が支給停止になる制度だ。この富裕層が1円でも月給をもらえば、年金支給は完全停止される。つまり、彼が納めた保険料は全額没収になるのだ。だから、保険料の負担上限は撤廃すべきだ。それをしないのは富裕層以外の何ものでもないのだ。
・退職金税制は誰のため?
・富裕層を優遇する税制は、ほかにも数多く存在する。
・たとえば、退職金課税。現在の所得税は、総合課税方式と言って、どこからお金をもらおうと、どんな種類の所であろうと、すべての所得を合算して、累進課税を行なうことを原則としている。もし、勤労所得とか、年金所得とか、所得の種類ごとに申告することを認めると、納税者が小口の所得に分割することによって、高い累進税率を回避してしまうからだ。
・159頁・
・ところが、所得税法でこの総合課税の例外扱いを受けている所得がいくつかある。山林所得と退職所得、金融所などだ。山林の場合、木を育てるのには非常に長い時間がかかるのに対して、所得は伐採を行なったときに一気に入ってくる。そのままほかの所得合算して課税すると過重な税額となってしまうために、分離課税の制度がとられている。
・退職金の分離課税も同様の趣旨から行なわれているのだが、退職所得には、この分離課税のほかに、あと二つの税制上の優遇措置がある。
・一つは、勤続年数に応じて決まる退職所得控除で、もう一つは所得の2分の1に課税するという「2分の1軽課」と呼ばれる税額計算方式だ。
・退職所得控除は、勤続1年あたり40万円、勤続20年を超える部分に関しては、勤続1年 あたり70万円と決められている。
・たとえば退職金の所得税は、次のように計算する。
・30年のサラリーマンが2000万円を受け取ったとしよう。退職所得控除が1500万円となるから、それを差し引いた所得は500万円である。課税対象はその 2分の1だから、250万円が課税対象になり、納める所得税は税率10%で25万円だ。
・長年働いてきたのだから、そのくらいで十分だろうというのが、庶民感情だろう。ところが、国民の多くがそう思うところに大きな罠が存在しているのだ。
・厚生労働省の調査によれば、高卒のサラリーマンが定年退職時にもらう退職金 1618万円。年数が40年だと仮定すると、退職所得控除額は2200万円となり、実際の退職金を上回る。つまり、一般的なサラリーマンの退職金は、退職所得控除の制度だけあれば、まったく税金がかからないのだ。
・160頁・9/23/2023
10:32:50 AM
・退職所得控除の金額は1972年から1976年にかけて、およそ3倍に引き上げられた。たとえば勤続30年の場合の退職所得控除額は、1972年の350万円に対して、1976年には1000万円となっている。
・大蔵省が編集している「図説日本の財政」の1975年度版が「このような累次の改正により、退職者の大部分が、その退職金についてほとんど課税されないことになるものと考えられる」と解説していることからも、退職所得控除が、一般庶民の退職金に課税しないために設けられていることは明らかだろう。
・しかし、だとしたらなぜ退職金の分離課税と所得を2分の1にする「2分の1軽課」の制度があるのだろうか。そんなものはなくても、庶民の退職金は原則無税なのだ。退職金が分離課税となった経緯は必ずしも明確ではない。1940年の税制改正で、所得税が、@不動産所得、配当利子所得、事業所得、勤労所得、山林所得、退職所得という6種類の所得ごとに課税されるようになったときに、「退職所得」という区分が登場する。ただし、このとき退職所得の税率は勤労所得よりも高い累進課税だった。
・161頁・
・勤労所得の税率は一律6%だったが、税率は累進で上がっていき、50万円を超える部分には40%も課税されていたのだ。
・ところが1947年の税制改正で、この所得の種類別課税は廃止され、総合課税に一本化された。だが、なぜか退職所得だけは分離課税のまま生き残ってしまったのだ。いくつかの税制に関する文献をみても、なぜそんなことになったかは記述されていない。
・おそらく、どさくさに紛れて、分離課税にしたほうが有利になる人たちが、そっと分離課税を残してきたのではないだろうか。
・有利になる人たちとは、高額の退職金を受け取る大企業役員や金融トレーダー、そして高級官僚たちだ。
・1998年に日本長期信用銀行が経営破綻した際、杉浦介元頭取が受け取った。9億7000万円の高額が大きな社会問題になった。杉浦元頭取はいくらの所得税を払ったのだろうか。
・勤続20年として計算してみると、彼が納めた税は2億4050万円だったということになる。しかし、退職所得控除だけを残して、分離課税をやめ、所の「2分の1 軽くしたらどうなるだろうか。
・162頁・9/23/2023
10:47:47 AM
・納めるべき所得税は4億8100万円と、じつに2倍になるのだ。
なかでも「2分の1軽課」の部分に関しては、いまでも年収が億を超す外資系のインベストメント・バンカーなどの間で広く活用されている。
・彼らは、入社のときに年俸1億円+退職金1億円といった契約を結ぶそして、10年後に退職するときにまとめて10億円の退職金を受け取るのだ。2分の1軽課」制度によって、そもそも退職金の半分の5億円にしか税金はかからない。しかも分離課税なので税率も低く抑えられる。
・なぜこんな富裕層優遇税制が生き残っているのか。先に述べたように、高級官僚の場合は、「わたり」で退官後に民間企業の役員をいくつか経験し、そのたびに巨額の退職金を得ていく。その税率を低く抑えたいのだろう。
・一刻も早く退職金の分離課税と所得の2分の1控除はやめるべきだ。それで庶民は何も損をしないのだ。
・富裕層の相続税回避方法
・163頁・
・富裕層にとって、豪邸を相続させるときに、いかに相続税を低く抑えるのかというのは大きな関心事だ。
・通常であれば、相続する土地の価格は「路線価」で評価されるのだが、小規模宅地等の特例というのがあり、土地の面積100坪までは、評価額が80%減額される。
・そこには条件があって、亡くなった人の配偶者、A同居の親族、亡くなった人に配偶者がおらず、亡くなった人の法定相続人が同居しておらず、相続人が第三者所有の賃貸住宅に住んでいること、のいずれかが満たされないといけない。つまり、子どもが同居していれば、80%を受けられるのだが、親子ができるほど大きな家に住んでいるのはほぼ富裕層だけだ。
・また、亡くなった人が単身で、子どもが賃貸住宅に住んでいる場合も適用されるが、な
自分の家を買った子どもはダメで、賃貸住宅に住んでいる場合だけ80%減額になるのか、意味がわからない。
・そして、最大の問題は、土地の評価額にかかわらず80%減額としていることだ。
・たとえば、都心にある100坪の土地付き一戸建てを相続する場合を考えよう。土地の坪あたり1億円とすると、相続対象の評価は100億円だ。ところが、その家に息子を住まわせておけば、20億円に減額されるのだ。80億円分は無税となる。また、この小規模宅地は、亡くなった人が事業用に使っていた土地賃貸事業に使っていた土地にも適用される。
・164頁・9/23/2023
11:55:23 AM
・誰がどう考えても、富裕層の持つ不動産の評価を大きくして、層の相続税をせる仕組みだ。
・こうした税の特例は無数にあり、有能な弁護士や税理士を雇える富裕層はこうした特例を活用した節税対策で納税を回避している。
・富裕層は消費税をほとんど支払わない
・ザイム真理教の教義では、こうした税制上の不公平にメスを入れることをせず、ひたすら消費税を引き上げることにこだわる。そのほうが富裕層に有利だからだ。
・よく「消費税には逆進性がある」という話がされる。
・収入に対する消費税負担が、低所得者ほど大きいからだ。たとえば、月収1000万円の富裕層は、収入の半分くらいしか消費しないから、消費額は500万円であり、消費税負担は税率10%として、50万円を負担することになる。収入に対する消費税の比率は5%だ。
・165頁・
・一方、月収10万円の庶民は、収入の8割を消費に回すから、消費額は8万円となる。消費税の支払いは8000円で、収入に対する消費税の比率は8%となる。
・このように収入に対する消費税の負担は庶民のほうが高くなる。これが消費税の逆進性だから消費税の増税は庶民に重くのしかかるのだが、それだけではない。じつは
富裕層は、ほとんど負担していないのだ。
・富裕層は、自分の会社を持っているか、会社の経費を自由に使える人たちだ。消費税には仕入れという仕組みがあり、経費で支払った消費税は、会社が消費税を納税するときに控除できるのだ。その仕組みを使えば、消費税を負担せずに、モノやサービスを購入できる。
・会社でクルマを買えば、車両代金だけでなく、ガソリン代や高速道路代や整備代など、あらゆる支出に伴う消費税を取り戻せる。それだけではない。通信費、書籍代、出張経費、銀座のクラブでの飲食代ゴルフ代など、事業に関するありとあらゆる支出の消費税は取り戻せるのだ。日産自動車のCEOだったカルロス・ゴーン氏の誕生日を祝うパーティーも会社にしていた。
・私の知っている富裕層はほぼすべての支出が会社の経費をほとんど支払っていないことになる。富裕層にとっては消費税がいくら上がっても、懐は痛まないのだ。
・166頁・9/23/2023
12:20:15 PM
・こうしたことを考えれば、もっとも公平な税制を作ろうと思うのであれば、消費税を廃止し、税制の特例を廃止し、すべての所得を総合課税することが望ましいことは明らかだ。
・とんでもないことのように思えるかもしれないが、たとえば株式をみると先進国のなかで分離一本なのは日本だけだ。アメリカの場合、株式譲渡益への課税は連邦税と地方税に分かれていて、連邦税のほうは分離課税だが、税率は0%、15%、20 %の累進課税になっている。地方税は、州によって税制が異なるが、ニューヨーク市の場合
だと、総合課税でこちらも累進課税になっている。
・だから、日本でも総合課税にすることは、当然、不可能ではないはずだ。ところが、毎年発表される与党税制改正大綱ですべての所得を総合課税して、1億円の壁を打破しようという話が出るのを聞いたことがない。
・カルト教団の多くでは、富裕層やエリート層が、一般信者と異なる待遇を与えられるのはよくある話だ。ザイム真理教でもその構造はまったく同じだ。庶民は教団の集金のター
ゲットとしてしか扱われない。
・最強の親衛隊・国税庁
・富裕層やエリートが財務省に逆らえないのは、単に自分たちを優遇してくれるからだけではない。財務省の外局である国税庁が幅広い裁量権を持っているからだ。
・大物タレントが申告漏れを指摘されて大きなニュースになったことがある。本人は「カツラは経費になるけど、植毛は経費にならない」ことを知らなかったと主張したが、税理士に聞くと、その認識は正しくないという。カツラにしろ、植毛にしろ、「業務に必要かどうか」が経費として認定されるかの分かれ道だというのだ。
・ただ、じつはその認定基準自体が、深刻な問題なのだ。もし、カツラは経費になるが、植毛が経費にならないというのであれば、事前にそのように経理処理をしておけば、申告漏れにならない。しかし、事業に必要かどうかという基準だと、答えが一つにならないからだ。
・実際、経費認定するかどうかは、国税庁の担当官の主観に左右される部分が大きい。すると国税庁は企業の生殺与奪の力を持つことになる。「恐れるのは警察ではない。国税だ」言われる所以だ。
・以前、地方に講演に出かけたときに乗ったタクシーで、運転手さんがなぜタクシードライバーになったのか話してくれた。
・
・168頁・9/23/2023
12:30:28 PM・
・その人はもともと山菜料理を提供する科を経営していたそうだ。ところが、税務調査で山に入って山菜をとってくるための経費をすべて否認されてしまったのだという。税務署は「山菜取りはあなたの趣味でしょう」と言ったそうだ。確かに趣味として始めた山菜
とりだったし、それが楽しみでもあったことは事実だが、山菜とりのコストを経費として認めてもらえなければ、事業は成り立たない。結局、料亭をたたんで、生活のためにタクシードライバーをしているというのが、そのときの話だった。
・財務省を辛辣に批判しているある評論家は、確定申告の際に一円も経費を計上していないそうだ。そこまでしないと、絶対安全な確定申告にはならないという。怖くて、誰も盾突くことができない。このことがザイム真理教への批判が世に出てこない一つの重大な要因になっている。
・じつは民主党が政権に就く前、財務省から国税庁部分を「歳入庁」として分解させることを提案していた。私は、正常化のために素晴らしい案だと考えていたが、結局、民主党自体が財務省の軍門に下るなかで、この案も立ち消えになってしまったのだ。
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第7章終わり。9/23/2023 12:50:07 PM・
第8章
岸田政権は 財務省の傀儡となった・
・退職金税制は誰のため?・158
・富裕層の相続税回避方法・162
・富裕層は消費税をほとんど支払わない・164
・最強の親衛隊・国税庁・166
第8章
岸田政権は財務省の傀儡となった
9/23/2023 10:03:05 AM
との意見がある。しかし、事故に関する報道ぶりなどを見れば、人の命に対する意識の低さが根底にあることに気づく。(中国総局 川越一)