20. 蛭児(ひるこ)神社
蛭児神社 |
大楠 |
大隅国二宮で、祭神は蛭児尊です。享保年中(1716~1735)の水害で、寛延3(1750)年に
この地に遷宮したといわれています。社殿は昭和5年改築しましたが、古くなったため、平
成23年7月に建て直しています。
蛭児神社の祭神は蛭児神は、イザナギ・イザナミの二神の間に生まれた神様です。大変か
わいがっておりましたが、どうしたことか3つになっても足腰が立たず、二神は嘆いて高天
原から流しました。天磐楠船に乗せられ流れ着いた所がこの地だという伝説です。「あまの
いわくすの船」から不思議なことに間もなく枝や葉が出て、ぐんぐん成長し大木になりまし
た。その楠の実が落ちてなげきの杜一帯に繁茂しました。しかし、数千年もたって朽ち果て
空洞を生じ、根株のみとなりました。今もその切り株が残っています。現在の楠の神木は享
保13(1728)年、国分地頭樺山主計久初がいわくすのあとに植えついだものといわれています。
遷宮前の場所から神鏡が出土したとされ、現在は隼人歴史民俗資料館に展示されています。
鏡数面のうち、一つは唐の海獣葡萄鏡で他は和鏡です。
付近一帯は奈気木(なげき)の杜として古くから歌に詠まれています。
「ねぎごとをさのみ聞きけん杜こそ果てはなげきの杜となるらめ」(古今集)
蛭児が漂着した時につかった「みざお」(釣り竿)が活着したと伝えられるめずらしい金筋
竹も境内にありましたが、今では小指大のものが5、6本残っているに過ぎません(郷土誌)。
漁業、航海、商売の神として信仰されています。
戻る
Copyright(C)KokubuShinkodo.Ltd