■■■ 中村万里子先生が語る「舎」の思い出 「舎」は、男子教育をする所で、心身共に鍛えられる所です。鹿児島では男の子は男らしく「ギ(文句)を言うな!」「嘘を言うな!」「弱いもの苛めをするな!」という3つの決まりがあります。より自分を強くして弱いものを守れということでしょうか・・・。 加治木には「青雲舎」という舎があります。舎では、目上の者が目下の者を教える、いい意味での縦社会の良さがありました。舎の男子は、漢詩を諳(そら)んじたり、剣道をやったり、勉強をしたり、今も続いていますが精矛(くわしほこ)神社で示現流の練習を常にやっていました。お墓での肝試しとかもあったようですね。 私の父が「舎」と関わりがあったので、父親っ子の私は、舎に入りたくてたまりませんでした。でも、私が入ろうとすると舎の男の子達に「女は来るな!」と言われて悔しかったですね。誰もいない時には、女子はここからは入れないという境界線にわざと片足を入れてみたりしていました。なんで父親っ子の私(=女子)が入れない領域があるのだろう?それが男女の違いを認識した出発点かな。もしかしたら剣道がうまくなったら舎に入れてもらえるかもと、剣道の真似事を一生懸命父の前でしたのを覚えています(苦笑)。父親を惹きつけようと幼い心で頑張っていたのに、今思うと父親は私の気持ちを知りながら、上手くかわしていたんだなぁと思います。 中村万里子先生:
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