1 せんねん まんねん (まど・みちお)
◆いったい何が〈ながい みじかい〉のか
◆人がやって来る前と後では
◆〈ながいみじかい〉を意味づける
〈まだ人がやって来なかったころの〉、つまり〈人〉がいなかったときには、どんな生き物も、このような現象のくり返しを意味づけられませんでした。しかし、〈人〉がやって来てからは、この現象をさまざまに意味づけることができるようになります。前連を読んだ時、五年生の読者ともなると、ここに書かれていることは食物連鎖のつながりではないかな、生き物や水のつながりではないかなと意味づけるのではないでしょうか。〈人〉はこのように意味づけることができるのです。
〈まだ人がやって来なかったころの〉には、生き物などが生み出す現象が、〈ながい〉か〈みじかい〉かは関係のないことです。ただ現象があるだけです。〈ながい〉のか〈みじかい〉のかを考えることは、意味づけるということです。〈人〉だけが、このくり返される現象をさまざまに意味づけることができるのです。この〈せんねんまんねん〉くり返される事実を〈ながい〉と意味づけることも〈みじかい〉と意味づけることもできるのです。
〈いつかのっぽのヤシの木になるために〉は〈ミミズ〉や〈ヘビ〉そして〈ワニ〉〈川〉など生き物や自然がつながりあって〈ながい〉年月をかけて生長しているとも考えることもできます。逆に、宇宙の時間で見れば、ほんの〈みじかい〉時間だと考えることもできます。〈せんねんまんねん〉は、〈ながいみじかい〉なのです。〈人〉は、どちらにでも意味づけることができるのです。どちらか一方ではないから、〈ながいみじかい〉なのです。
◆さまざまな意味づけを
◆たくさんの意味づけをさせよう
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