2005/12/8作成
2005/12/14改訂

民鉄最長片道切符の旅

 NHKのTV番組がきっかけで、世間では「最長片道切符」という概念の存在が認識されるようになった。 これは国鉄時代から認識されていた概念で、日本全体にまたがり、国鉄旅客営業規則に基づいて 発行されうる最長の片道切符のルートがどうなるかを追求したものである。
 TV番組では、当然のことながら、さらに全線乗車へと続き、その人気から 次は、全国全鉄道乗車へと進むことが予想するのが当然であろう。 ところで、その前段階として私鉄だけを乗り継いで最長片道切符ルートをたどるとしたら どのようなルートになるのであろうか? 鉄道趣味の中で、乗車に重点を置く分野を俗に“乗り鉄”と称しているが、 それに関連した文献などでも、これを追求した資料は未だ無いように思われる。 もっとも、同一企業体ではないので、実際に「片道切符」が発行されるわけでもないし、 同一駅の重複の定義も不明確だが、案外、面白いかと思い、考えてみることにした。 やってみると予想外に長距離に出来そうである。

 関東私鉄圏と関西私鉄圏とでは私鉄だけでは接続がなく、かつ両者とも、 全国の他の地域よりも格段に長い路線が存在するので、この2つに分けて検討するのが妥当だろう。 私には「巡回セールスマン問題」を解けるソフトウェアもないので、古典的に 地図から当たりを付けて、その後、計算するという伝統的な方法を採用することにした。
 今回は、最長ルートの予想を提示する。


条件

 ルート上で重複区間を作ってはならない点は、国鉄最長片道切符と同一である。 次に問題となるのは、複数社間で同一駅と見なす条件である。 これは乗継可能であることと重複通過不可であることの両方に影響する。 具体的には難しいが、ここでは、常識的に比較的緩く以下の条件のいずれかに当てはまるものとした。
  1. 交通公社大判時刻表索引地図で同じ駅マークで記載されている駅
  2. 地下鉄の場合は名称が異なっても索引地図で乗換駅として連結されているものは同一駅と見なす
  3. 直接乗換改札が存在する駅
  4. 新宿、渋谷などの巨大ターミナルでは、同一名称の駅
  5. 上記にかかわらず、名古屋と名鉄名古屋と近鉄名古屋、難波と近鉄難波、梅田と西梅田と東梅田 などは同一駅と見なす
該当する鉄道は、民鉄・第3セクターも含めたJR以外の各社とする。 今回は普通鉄道だけでなく、モノレール・新交通システム・鋼索鉄道(ケーブルカー)も 含めることにした。 ただし、索道(ロープウェイ)は含めないこととした。
 距離基準は、時刻表掲載の営業キロによることとした。

関東編

最長となるのは、地図から会津鉄道 西若松から箱根登山ケーブル 早雲山であろうと見当を付けた。 これには異論がないであろう。
 次に時刻表索引地図を片手に最長ルート候補を探してみると、以下になるものと予想される。

西若松→(会津鉄道)→会津田島→(野岩鉄道)→新藤原→(東武鬼怒川線)→今市→
→(東武日光線)→東武動物公園→(東武伊勢崎線)→羽生→(秩父鉄道)→御花畑→
→(西武秩父線)→吾野→(西武池袋線)→練馬→(西武有楽町線)→小竹向原→
→(地下鉄有楽町線)→和光市→(東武東上線)→池袋→(地下鉄丸ノ内線)→銀座→
→(地下鉄銀座線)→浅草→(東武伊勢崎線)→春日部→(東武野田線)→新鎌ヶ谷→
→(新京成電鉄)→京成津田沼→(京成線)→押上→(地下鉄半蔵門線)→住吉→
→(都営新宿線)→森下→(都営大江戸線)→月島→(地下鉄有楽町線)→新木場→
→(東京臨海高速鉄道)→天王洲アイル→(東京モノレール)→天空橋→(京急空港線)→京急蒲田→
→(京急本線)→横浜→(横浜市営地下鉄)→湘南台→(相鉄いずみ野線)→二俣川→
→(相鉄本線)→大和→(小田急江ノ島線)→中央林間→(東急田園都市線)→二子玉川→
→(東急大井町線)→自由が丘→(東急東横線)→多摩川→(東急多摩川線)→蒲田→
→(東急池上線)→旗の台→(東急大井町線)→大岡山→(東急目黒線)→目黒→
→(都営三田線)→日比谷→(地下鉄日比谷線)→六本木→(都営大江戸線)→麻布十番→
→(地下鉄南北線)→永田町→(地下鉄半蔵門線)→表参道→(地下鉄千代田線)→代々木上原→
→(小田急小田原線)→新宿→(都営大江戸線)→都庁前→(都営大江戸線)→飯田橋→
→(地下鉄東西線)→高田馬場→(西武新宿線)→小平→(西武拝島線)→桜街道→
→(多摩都市モノレール)→高幡不動→(京王京王線)→調布→(京王相模原線)→明大前→
→(京王井の頭線)→下北沢→(小田急小田原線)→小田原→(箱根登山鉄道)→強羅→
→(箱根登山ケーブル)→早雲山

関西編


現在検討中。