北部鉄道は、アントファガスタを中心とする銅鉱石輸送を初めてとして
貨物輸送主体である。ただし、縮小の一途のようで、旅客列車の設定は今は
全く無くなっているようだ。
北へ向かう線のサンチャゴ始発駅だったマポチョ駅は改装されて
音楽ホールになってしまっているし、
1997年9月の水害で破壊されたラセレナ付近の南北縦断路線は11月になっても
復旧していない。
南部鉄道は国鉄が積極的に観光客誘致をしたり、Metrotrenと称して「国電」
運転をしている。が、国電と言っても1.5時間ヘッドで、大変のんびりしている。
南部幹線は、サンシャゴから隣駅のサンベルナルドまで(片道250ペソ)しか
乗車しなかったが、
複線電化で、70km/hほどで結構高速運転を実施している。
試乗したサンチャゴ−サンベルナルド間16kmほどは15分を要した。
複線区間は左側通行。
ただし、軌道状態はかなり悪く、日本のローカル私鉄に似た感じである。
広軌であることが幸いしているのであろうか。
これに対して架線は山手線と同じダブルシンプルカテナリーで、
なにかちぐはぐな感じがする。
乗車した際は、上りが40分程度遅れたが、案内放送もあったし、乗客は
発車予定時刻頃から、みんなそわそわと待っていたので遅延は珍しいらしい。
一緒に待っていた英語のできるおばさんに確認したら、遅延は稀であるとのこと。
南部鉄道のサンチャゴ始発駅は地下鉄1号線のEstacion Central(中央駅)である。
フランス人建築家ギュスタフ・エッフェル設計の、この駅は欧州式に屋根が
かかっている。とはいえ、連結器は自動連結器だし、中央駅は構内入場に入場券
(200ペソおよそ50円で窓口で買う)が必要など、
完全に欧州大陸調というわけでもないらしい。
Estacion Centralはサンチャゴ市内ではそう呼ばれているようだが、
EFEの切符や時刻表ではAlamedaと書かれており、こちらが正式名らしい。
Metrotrenは地下鉄と連帯運輸をしているのか、地下鉄と類似のマークを
掲出して運転している。とはいえ、1-1.5時間ヘッドだから利用には気を付けないと
行けない。1997年10月現在、サンチャゴSantiago−ランカグアRancagua間を
運転している。車内路線図によれば、Santigo - San Bernardo - Nos - Ruin -
Lideros - Paine - Hospital - San Francisco - Graweros - Rancaguaを
運行しているようだ。
使用車両は25m級電車4連でAEL30型というらしい。ランカグア側からA-B1-B2-Cとの
記号が車体に記されていたので、4連で固定編成のようだ。AとCの連結面寄りに
1つずつパンタグラフが付いているが、一方しか使用していない。
サンチャゴの駅員は日本製だといっていたが、製造銘版がないので確認できなかった。
外観からは製造は日本車両かと思われる。