サンチャゴの地下鉄

地下鉄1号線

 1号線のラインカラーは赤。 サンチャゴ市内東寄りのエスクラー・ミリタール(軍事学校前)Escula Milliter から西よりのサンパブロSan Pabloまで、 市を東西に横切る目抜き通りである、ベルナルドオイギンス将軍通りAvda. Gral. Bernardo O'Higgins−プロビデンシア通りAvda. Providencia の地下を通っている。この2つの通りは連続しており、さらに呼び名が 変わった先まで地下鉄1号線自体は伸びている。 最大の繁華街のチリ大学前Universidad de Chile、観光スポットのサンタルシアの 丘Santa Lucia、新興オフィス街プロビデンシア地区Providenciaなどを結んでいるので サンチャゴを訪れた人なら一度はお世話になる路線といってよい。
 1号線の場合、駅での方面案内は、市の東西端の地区名になっていて、両端 駅名になっていない。東端Escula Milliter駅方向はラスコンデスLas Condes方面、 西端San Pablo駅方向が (あ、しまったメモが見つからないのでわからない)方面 と書かれている。 この地区名というのが両端駅のある地区名ではなく、 それよりさらに遠くなのがややこしい点(しかも、その地区まで達している 路線はない!)。 東京でいえば、銀座線のホームに「世田谷方面」「江東方面」と書くようなもの。 将来延長するという決意表明なのだろうか。
 ところが、1998年5月に行ってみると、新しい掲示になっていた。そこには Escula Milliter方面、San Pablo方面と書かれており、両端駅名になっていた。 市中心部の駅で内装の改良工事が進んでおり、そのような駅が、この方式に。 やはり、ややこしさに堪えかねたのだろう。それに、3路線もあると、 この方法では訳が分からなくなりそう。とはいえ、1号線の両端近くの 未改装の駅は相変わらずLas Condes方面とか書いているので注意が必要。
 ほとんどの区間が地下であるが、西端に近いパハリトスPajaritos駅前後の 区間と、西端のネプツゥーロNepturo〜サンパブロSan Pablo間(サンパブロ駅直前は 地下)は地上に出ている。ただし、この区間も掘割の中を走行しているので、 地上からの車両撮影は難しいかも知れない。結局、Pajaritos、Nepturo、San Pablo の3駅のホームからの撮影が場所としてよいかと思われる。
 駅はすべて相対式ホーム2面2線。クロス線路を作るのが困難なためか、 終端駅などでも分岐はすべて片渡りとなっており、両渡りは使用されていない。 このため、終端駅での車両の折り返しは、ちょっとややこしい運用になっている。


サンチャゴ地下鉄1号線の旧型車両。2号線も同型車を使用。 San Pablo駅にて。

 上に示した、旧型車は、車内はセミクロスシート。 1両は4扉両開で、M,Pなどの記号で区分されている。1号線の5両編成は MRNPMであったので、Mは制御電動車を指すものと推定される。 車両も旧型はパリのメトロと同一仕様である。 車内の製造銘板を見ると旧型は1970年代に製造されたようだ。 車内はセミクロスシート。ドア間に4人掛ボックス席が各1、計6セット配され、 車両中央部のクロスシートに隣接して4つの1人掛のロングシートが設置されている。 車端部とドアの間には座席がない。したがって、1両の座席定員は28人である。 中間車も先頭車も同じ座席配置であった。

 市の中心部にしか路線がないせいか、あるいは地上の道路交通が慢性渋滞 のためなのか、地下鉄車内も慢性的に、かなり混雑している。 1997年秋には、1号線ではついにクロスシートが2ボックスを残して撤去 されている車両が連結されるようになっていた。 しかし、その後、車両増備を進めたらしく、1998年5月の時点では、 編成長の増加、新型車両の導入を実施したようで、座席減少車は解消されていた。


 サンチャゴ地下鉄1号線の新型車両。車両間に貫通路がつき、 編成の端から端まで車内を歩いて行けるようになった。 貫通路は全断面貫通路なので、車内も広く感じる。 San Pablo駅にて。

 新型車両は、6両編成。 運用されている2編成の車両番号は

サンパブロ←S0126+N5063+N3063+N2063+N1063+S0125→ミリタール:0109
サンパブロ←S0128+N5064+N3064+N2064+N1064+S0127→ミリタール:0101
でした。 Sが制御電動車、Nが付随車なのでしょうか?N40xxが無いのがご愛敬。 縁起が悪い(4=死)からという訳でもないのでしょうが、いずれN40xxを 作って7両編成にするのでしょうか?ホーム有効長にはまだ余裕がありました。
 モータ音から制御はVVVFのようです。車両銘板によると、 製造はGEC Alstomで1997年製。 フランス地下鉄と同じゴムタイヤ式なのは他の線と同じ。 サンチャゴ地下鉄では初めて車両間に貫通路がつき、空調もついています。 編成貫通路無しの5号線用車両の追番になっているようです。