ドイツ連邦鉄道、ドイツ鉄道

2007/12/19 作成
2008/1/15 更新

総論

ここで紹介するのは、ドイツの国内幹線を運営する鉄道の車両称号である。 ドイツは明治時代に統一国家となったが、鉄道の開業はそれよりも早かったため、 国内には統一前の国家(領邦国家)による鉄道が存在した。 ババリア鉄道、プロイセン鉄道、ザクセン鉄道などがそれである。 したがって、統一国家の元、ドイツ国鉄が発足した際には 多数の鉄道会社の合併が発生し、種々の形式の車両が少数ずつ併存するということになった。 この点で、私鉄を合併して国鉄を形成した日本の場合と似たところがある。

合併して発足した鉄道は、ドイツ帝国鉄道(DR: Deutsche Reiches bahn)と 呼ばれたが、これが第2次世界大戦後、東西ドイツに分割された際に、 西ドイツはドイツ連邦鉄道(Deutsche Bundesbahn)、東ドイツはドイツ国有鉄道(DB: Deutsche Reiches bahn) となった。

ドイツ再統一の直後にこれら2つの鉄道も合併することになったが、 日本を先鞭とする鉄道会社の民営化が進行していたこともあり、 直ぐに民営化され、ドイツ鉄道(DB: Deutsche Bahn)となった。 略称は同一で、企業ロゴも同じであるが、色が黒から赤に変わったのが特徴である。

ここでは、DBの車両形式称号を紹介するが、 動力車については1968年に大規模な改番が行われたため、その前後について紹介する。

動力車

1968年以前

英字0〜3文字に数字2〜3桁で形式としている。 英字は以下のようになっている。

記号内容
蒸気機関車
E電気機関車
V内燃機関車
ET電車(電動車)
EM電車(付随車)
ES電車(制御車)
EB電車(2軸付随車)
ETA蓄電池電車
VT気動車(動車)
VM気動車(付随車)
VS気動車(制御車)

これに続いて、車両番号が3桁の数字で表される。 型式番号と車両番号の間は空白を置く。

僅かな仕様変更の場合には、型式番号は変えずに車両番号を大きく飛ばす。 ここは、日本の国鉄の番台区分と同じである。 ただし、それを表現する際に型式番号と車両番号の最上位とを小数点でつないで表記する。 例えば、VT11形の700番台はVT11.7と表記する。


1969年〜現在

数字のみ3桁で、100位は形式の動力形式などを識別する。
100位数値内容
0蒸気機関車 Dampfloks
1電気機関車 Elektrolokomotiven
2内燃機関車 Diesellokomotiven
3小型内燃機関車 Kleilokomotiven
4電車(電動車) Elektrotriebwagen
5電車(小型?) Akku-Triebwagen(ETA)
6気動車 Dieseltriebwagen
7気動車(レールバス) Diseltriebwagen
8電車(ICE付随車)
9電車(付随車)

これに続いて、車両番号が3桁の数字で表される。 型式番号と車両番号の間は空白を置く。

僅かな仕様変更の場合には、型式番号は変えずに車両番号を大きく飛ばす。 ここは、日本の国鉄の番台区分と同じである。 ただし、それを表現する際に型式番号と車両番号の最上位とを小数点でつないで表記する。 例えば、103形の100番台は103.1と表記する。

実際の車体表記には、これに続いて「−」(ハイフン)でつなげた1桁の数字が加わる。 これは数字の誤認をさけるためのチェックサムであるが、その計算方法は公表されていないようだ。


参考資料)
Eisenbahn Journal Extra, Die DB in den 70ern
鉄道ファン 2007/11 p.148
写真で楽しむ世界の鉄道 ヨーロッパ1

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