半田利弘の政治提言:ゴミ収集の完全有料化を実施せよ!
東京都知事選挙たけなわであるが、ゴミ問題について積極的・具体的
対応策を提示している候補者が数少ないのは誠に嘆かわしい。
選挙広報でゴミ問題に触れているのは、僅かに2候補。しかも、
うち1人は収集時間について述べているだけである。
先日のNHK番組「世紀を越えて」で先に報道されてしまったが、
ゴミ減量化に最も有効な手段は、従量制収集料金を規定することである。
今や大量のゴミを出すことは、収集している自治体のみならず、
環境に大きな負荷を掛けていることは素人にも明白であろう。
「消費を抑制するので景気回復に悪影響が」と反論する人もあろうが、
ゴミに埋もれてでもバブル景気と言いたいのであろうか。
公害問題が騒がれていた時代を思い返してもらいたいものである。
可能であるならば、ゴミ排出量に対して累進にしてもよい
位である。さらに、分別ごとに単価を変えることを考えてもよい。
過渡期と抜け駆けしたものに対する懲罰とをどうするかが
問題であるが、それを躊躇して実行を遅らせるのは、本末転倒である。
ゴミ従量有料化によるメリットは、
- ゴミの総量が減る。人間、現金なもので、自分に経済的負担が
かかると思うと、躍起になって、実行するものである。ことに、不景気な
現状では、たちまち、効果が現われるはずである。
- ゴミが少ない商品の開発が進む。ゴミがたくさん出る商品は、
ゴミ回収経費分だけ割高になるわけだから、価格競争力が落ちる。
これに対する対策を企業が行なうはずで、ゴミが少ない商品・梱包の
開発が進むはずである。分別ごとにゴミ収集料金が異なると、これによって
環境負荷が大きい素材から小さい素材へと移行することも誘導できる。
この誘導効果も考えるならば、料金は単なる処理経費で決定すべきではなく、
ライフサイクル(製造から最終処理まで)での環境負荷を規準に決めることに
すればよい。
- 財政再建の財源となる。有料化によって生じた歳入は地方公共団体の
赤字補填に使用すればよい。ただし、これだけでは、税負担増になるので、
標準家庭を想定してゴミ排出量をモデル化し、その程度のゴミ収集料が
賄える程度の住民税減税を行なう。最終的には、住民税からゴミ処理経費を
負担しないところまでもって行く。
などがある。うまくいけば、ゴミ問題(地球環境問題を含む)・財政再建問題を
同時に解決できる。
最終的に都知事が誰になるのかは選挙結果次第だが、先進的な候補が、
この案を採用してくれないものだろうか。