半田利弘のSF感想：時間的無限大

　一時、新聞で話題になった「ワームホールを亜光速移動させると時間移動できる通路になる」というのを基本的なネタにした話です。エイゾティック物質による門（インターフェース）など専門用語に酔える人にはお勧めですね。
　マイクロマシンによる不老不死とかいう小道具も出てきます。それまで長生きできるといいなぁ（最近老化が激しい）。ブラックホール砲なども出てきてかなり派手な話になっていますが、ブラックホールをうちまくった際の後始末ってどうするんでしょうね。
　ところで、読んでいて思ったのはワームホールって空間構造なのですから、「物体」のように宇宙船で運べるのかなぁ？という疑問。それにブラックホール時空での一般相対論的時間の遅れを考慮するとワームホールを通過する際には、それを経由しないで光速で移動した際と同程度の時間がかかるとかいう計算結果を聞いたことがありますが、そうだとするとどうなるのかなぁ？
　あと、「GUTエネルギー」はエセな気がします。だって、「GUTドライブで取りだせるエネルギー」って、「初期宇宙状態を作りだすエネルギー」と等しくなるのではないでしょうか。