半田利弘のSF感想:スタートレック・ファーストコンタクト

 ネクストジェネレーションの劇場版第2作です。
 「ファーストコンタクト」というタイトルとボーグとの戦いという 前宣伝から、ボーグと地球との接触を描いているのかと思ったのですが、 そうではなく、本当の「ファーストコンタクト」がネタになっていました。
 スタートレックの世界では地球は惑星連邦の指導的立場にあるので、 宇宙航行技術などにおいても先端を切っていなければならないのですが、 シリーズに種々のSFテーマを盛り込んできた結果、21世紀のデストピア時代 (先鞭はKahnの優性戦争)を含めてしまったために、また、現実社会の 宇宙開発テンポがシリーズ開始頃の1960年代から急減速してしまったことが あり、その辻褄合わせ的展開になってしまったのは否めません。 超光速飛行実験を扱っているので、私個人としては興味がありますが、 このネタはスタートレックとは別枠(別設定世界)で取り上げたほうが楽しい かと思います。でも、米国だと「スタートレック」かどうかで製作費の調達が ずいぶん変わるのでしょうから、ある程度は止むを得ませんね。
 出張時に、英語で字幕無しで見たきりなので、細かいストーリーは追い切れません でした。1997年9月下旬にビデオリリースするそうなので、借りてきて 復習しようと思っています。